神経ブロック 仙骨ブロック

演者らの方法は, 単回の腰部硬膜外ブロックで黄靱帯の穿通感を十分に習得している術者が仙骨ブロックを行う場合の手技である. 【手技】患者を腹臥位とし下腹部にバスタオルをいれ, 軽度の骨盤高位とする. ポビドンヨードを使用し十分に消毒する. 滅菌手袋をした左手で仙骨裂孔を確認し刺入点を決定する. 1%リドカイン10mlを入れたディスポーザブル注射筒に23Gカテラン針をつけて使用する. 局所麻酔はせずに約30度の角度で仙骨裂孔に刺入する. ゆっくり針を進めながら靱帯の穿通感を感じ取る. 血液等の逆流がないことを確認してから静かに薬液を注入する. もし注入に抵抗があるようであれば針をやや進めて再確認す...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 鎌田信仁, 山谷隆二
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:演者らの方法は, 単回の腰部硬膜外ブロックで黄靱帯の穿通感を十分に習得している術者が仙骨ブロックを行う場合の手技である. 【手技】患者を腹臥位とし下腹部にバスタオルをいれ, 軽度の骨盤高位とする. ポビドンヨードを使用し十分に消毒する. 滅菌手袋をした左手で仙骨裂孔を確認し刺入点を決定する. 1%リドカイン10mlを入れたディスポーザブル注射筒に23Gカテラン針をつけて使用する. 局所麻酔はせずに約30度の角度で仙骨裂孔に刺入する. ゆっくり針を進めながら靱帯の穿通感を感じ取る. 血液等の逆流がないことを確認してから静かに薬液を注入する. もし注入に抵抗があるようであれば針をやや進めて再確認するか, あるいは再刺入とする. Loss of resistance法は用いなくても刺入可能である. 〈研修医などへ指導する場合〉ドレープにて刺入部と不潔野を区別する. 刺入点に少量の局所麻酔を行う. 22G Touhy針を使用しガラス製の注射筒を使用しLoss of resistance法にて硬膜外腔を確認させる. このとき靭帯の穿通感を感じるように注意して進めさせる. 硬膜外腔前方の仙骨に当たるまで針を進める必要はない. 【仙骨ブロックに対する考え方】腰下肢痛の治療で整形外科領域では, 手技が容易であることから仙骨ブロックが使用されることが多い. しかし, 頚椎疾患による上肢痛に星状神経節ブロックが頻用されるように, 腰下肢痛に対しても交感神経ブロックの果たす役割は大きい. したがって知覚神経のブロックが主体の仙骨ブロックは, ペインクリニックでの適応は非常に限られたものとなると思われる. 手技が容易であるだけで安易に仙骨ブロックは選択すべきでないと考える.
ISSN:1340-4903