1―68塩酸ロピバカインによる星状神経節ブロックの効果と安全性の検討 ―サーモグラフィーおよび深部温測定にて

【目的】従来のアミド型局所麻酔薬に比べ忍容性に優れ, 長時間の麻酔作用が得られる塩酸ロピバカインは, 臨床現場での使用が待ち望まれていた. 星状神経節ブロック(SGB)において, その効果を客観的に判断したいと考え, 血圧脈拍ならびに温度と変化を検討したので報告する. 【方法】これまで1%塩酸メピバカインによるSGB施行していた成人10名について, 0.2%塩酸ロピバカイン6mlに変更し, 施行前後の体表面温深部温ならびにサーモグラフィー施行, 併せて両上肢の血圧と脈拍を連続測定, ホルネル徴候の程度, 合併症の有無の他, 患者の感想, 殊に従来の局所麻酔薬との差の有無について回答を得た. 【...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2002, Vol.9 (3), p.241-241
Hauptverfasser: 黒田理佐, 黒田俊久, 浅野弘照, 増田健太郎, 角野宏佳, 大原義隆, 廣瀬紀子, 加藤 忠, 山田守正, 貝沼関志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】従来のアミド型局所麻酔薬に比べ忍容性に優れ, 長時間の麻酔作用が得られる塩酸ロピバカインは, 臨床現場での使用が待ち望まれていた. 星状神経節ブロック(SGB)において, その効果を客観的に判断したいと考え, 血圧脈拍ならびに温度と変化を検討したので報告する. 【方法】これまで1%塩酸メピバカインによるSGB施行していた成人10名について, 0.2%塩酸ロピバカイン6mlに変更し, 施行前後の体表面温深部温ならびにサーモグラフィー施行, 併せて両上肢の血圧と脈拍を連続測定, ホルネル徴候の程度, 合併症の有無の他, 患者の感想, 殊に従来の局所麻酔薬との差の有無について回答を得た. 【結果】1%塩酸メピバカインに比べ明らかに患者の満足度は高く, ホルネル徴候も著明になることが多いが, 温度は上昇するものの比較して差は僅かであった. 血圧脈拍については, ほぼ変化を認めず, 全例に有害な事象は認められなかった. 【考察】SGB施行に際し, 塩酸ブピバカインと同様の効力を示し, かつ安全性に優れた塩酸ロピバカインは, 低濃度でも充分質の高い効果を得ることができると思われる. 【結論】SGBは0.2%塩酸ロピバカインで充分な効果を得ることができる.
ISSN:1340-4903