疼痛管理に苦慮した糖尿病性有痛性末梢神経障害の一症例

24歳の女性. 5歳時より, IDDMの診断にて, フォローされていたがコントロール不良であった. 約一年前より両下肢に灼熱感を伴った痛みを自覚した. 疼痛の増強, 発赤を認め内科入院となった. NSAIDS, ブプレノルフィン, 鎮痛補助薬は効果なく, テグレトールにて若干の改善を認め退院となった. 二ヶ月前より, 両下肢の疼痛が再燃した. 発作的な激しい疼痛が頻回, 下肢の発赤の範囲も広範となり, 当科に緊急入院となった. 両下肢の激痛, アロデニア, 著明な発赤, 足指に暗赤色の皮疹を認めた. 硬膜外単回投与は疼痛の悪化を認めた. 持続硬膜外ブロック, プロスタンディン製剤の点滴, co...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2001, Vol.8 (3), p.210-210
Hauptverfasser: 戸田雅也, 的場元弘, 安里文雄, 岡本浩嗣, 外須美夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:24歳の女性. 5歳時より, IDDMの診断にて, フォローされていたがコントロール不良であった. 約一年前より両下肢に灼熱感を伴った痛みを自覚した. 疼痛の増強, 発赤を認め内科入院となった. NSAIDS, ブプレノルフィン, 鎮痛補助薬は効果なく, テグレトールにて若干の改善を認め退院となった. 二ヶ月前より, 両下肢の疼痛が再燃した. 発作的な激しい疼痛が頻回, 下肢の発赤の範囲も広範となり, 当科に緊急入院となった. 両下肢の激痛, アロデニア, 著明な発赤, 足指に暗赤色の皮疹を認めた. 硬膜外単回投与は疼痛の悪化を認めた. 持続硬膜外ブロック, プロスタンディン製剤の点滴, coolingて疼痛管理を行い, 一週間ほどで疼痛, 発赤の範囲は減少, 足指の皮疹も改善した. 硬膜外カテを抜去後も, ブプレノルフィンにてVAS 0/10となり退院となった. 本例は, 末梢の発赤と浮腫を特徴とし, 末梢循環障害も認められた. 末梢循環障害に対し持続硬膜外ブロックと血流改善薬を使用し, 病状の安定化を試み, 鎮痛薬を併用しコントロールできた. 結語:DM性神経障害によるCRPSの患者を経験した. 糖尿病の安定化が必須であるが, 痛みの悪循環の軽減を図ることで疼痛管理が可能となった.
ISSN:1340-4903