長期にわたりフェンタニル持続皮下注で疼痛管理を行った悪性腫瘍多発性骨転移の3例
今回我々はモルヒネにより副作用が出現した悪性腫瘍多発性骨転移の3例にフェンタニル持続皮下注を試みた. 1例はリン酸コデイン投与後, モルヒネ徐放剤開始時に嘔気が出現したためフェンタニルに変更した. 他の2例はモルヒネ徐放剤増量により眠気が出現したため, モルヒネを減量しフェンタニルを開始した. 携帯型持続注入ポンプにフェンタニルとドロペリドール(0.7~1 ml/日), リドカイン(0.6~1%)を入れ, 生理食塩水で50 mlとし, 0.7~1 ml/時で持続注入した. 27G翼状針または24G留置針を使用し透明なドレープで固定した. 3例ともフェンタニル開始により嘔気, 眠気が消失し痛みも...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2001, Vol.8 (3), p.203-203 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 今回我々はモルヒネにより副作用が出現した悪性腫瘍多発性骨転移の3例にフェンタニル持続皮下注を試みた. 1例はリン酸コデイン投与後, モルヒネ徐放剤開始時に嘔気が出現したためフェンタニルに変更した. 他の2例はモルヒネ徐放剤増量により眠気が出現したため, モルヒネを減量しフェンタニルを開始した. 携帯型持続注入ポンプにフェンタニルとドロペリドール(0.7~1 ml/日), リドカイン(0.6~1%)を入れ, 生理食塩水で50 mlとし, 0.7~1 ml/時で持続注入した. 27G翼状針または24G留置針を使用し透明なドレープで固定した. 3例ともフェンタニル開始により嘔気, 眠気が消失し痛みも軽減した. 治療期間は症例1で411日, 症例2で249日, 症例3では1回目と2回目の入院を合わせて122日間であった. 3症例中の最高投与量は10.5A/日であった. 副作用として刺入部皮膚の発赤, 硬結を認めたが刺入部位の変更で対処できた. 痛みの程度に応じてフェンタニルの量を調節することで長期にわたり良好な疼痛管理を行えた. |
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ISSN: | 1340-4903 |