胸郭出口症候群を合併した多汗症の1例
症例は, 33歳, 男性. 幼少時より, 両手掌の発汗過多を自覚していた. テレビで当科を知り, 1999年1月8日, 当科外来を受診した. 多汗症の診断で, 2000年3月2日, 当科へ入院し, 翌日, 手術となった. 全身麻酔導入後, 半座位で, 右上肢を90°外転挙上位とすると, 前腕部の皮静脈怒脹を認めた. 皮静脈圧を測定すると, 52mmHgと上昇していた. 上肢を降ろすと5~17mmHgに低下した. 胸郭出口症候群が疑われた. 仰臥位に戻して上肢90°外転位としたところ, 13~18mmHgに落ち着いた. この体位で手術を開始した. 胸腔鏡下でTh2の交感神経節を焼灼切除した. 1...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2001, Vol.8 (1), p.39-39 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は, 33歳, 男性. 幼少時より, 両手掌の発汗過多を自覚していた. テレビで当科を知り, 1999年1月8日, 当科外来を受診した. 多汗症の診断で, 2000年3月2日, 当科へ入院し, 翌日, 手術となった. 全身麻酔導入後, 半座位で, 右上肢を90°外転挙上位とすると, 前腕部の皮静脈怒脹を認めた. 皮静脈圧を測定すると, 52mmHgと上昇していた. 上肢を降ろすと5~17mmHgに低下した. 胸郭出口症候群が疑われた. 仰臥位に戻して上肢90°外転位としたところ, 13~18mmHgに落ち着いた. この体位で手術を開始した. 胸腔鏡下でTh2の交感神経節を焼灼切除した. 1PODにて退院し, 以後, 外来精査となった. 頸部X-Pでは, 頸肋は認めなかった. 頸部MRIでは, 斜角筋群の走行異常や異常筋束も認めなかった. 右鎖骨下静脈撮影では, Wright位で, 鎖骨下静脈の圧迫閉塞を認め, 側副血行路による静脈還流異常を認めた. 体位変換して手術を施行する場合は, 可能ならば, 術前に胸郭出口症候群の併存を評価し, もし術中に異常があれば, 適切な体位とすることが必要と考えられた. |
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ISSN: | 1340-4903 |