腰痛症に対する硬膜外鏡の治療効果について
硬膜外鏡は腰仙骨部の硬膜外腔を観察するものであるが, 同時に硬膜外腔の癒着を剥離するなど治療的側面もある. 今回われわれは硬膜外鏡を用いて腰痛症の治療を行った症例において, 実際の手技とその腰痛症の治療効果について報告する. 当院で使用している硬膜外鏡はマイロテック社製エピデュロスコープシステムである. 体位は腹臥位で仙骨裂孔より硬膜外針を刺入, その後直径0.9mmのファイバースコープを入れたビデオガイドカテーテルを挿入し, 硬膜外腔を観察する. 生理食塩水を注入しながらファイバースコープを進ませていき, 癒着や炎症などを観察し, 癒着部などを剥離し, 最後にステロイドと局麻薬を注入して終了...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2001, Vol.8 (1), p.33-33 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 硬膜外鏡は腰仙骨部の硬膜外腔を観察するものであるが, 同時に硬膜外腔の癒着を剥離するなど治療的側面もある. 今回われわれは硬膜外鏡を用いて腰痛症の治療を行った症例において, 実際の手技とその腰痛症の治療効果について報告する. 当院で使用している硬膜外鏡はマイロテック社製エピデュロスコープシステムである. 体位は腹臥位で仙骨裂孔より硬膜外針を刺入, その後直径0.9mmのファイバースコープを入れたビデオガイドカテーテルを挿入し, 硬膜外腔を観察する. 生理食塩水を注入しながらファイバースコープを進ませていき, 癒着や炎症などを観察し, 癒着部などを剥離し, 最後にステロイドと局麻薬を注入して終了する. 手術時間は約1時間前後である. 腰痛症に対して当院で行った症例は, MOF(Failed back syndrome), 腰椎椎間板ヘルニア(術前・術後例), 腰部脊柱管狭窄症(術前例), 腰椎すべり症(術前例), 腰椎圧迫骨折(術後例)などである. 治療効果に関しては, 術直後には全例で効果がみられ, 症例によってはその効果が長期的に持続するが, 再度硬膜外鏡を行った例もある. また, 下肢痛や腰痛などの症状の軽減に加え, 間欠性跛行も改善することが多い. 硬膜外鏡は重篤な合併症はほとんどなく, 何回も行えるのが特徴である. 今後は長期的にフォローし, 適応症をよく検討していく必要があると思われる. |
---|---|
ISSN: | 1340-4903 |