神経根ブロックの造影所見が診断に有用であった転移性腰椎腫瘍の2例

腰下肢痛の治療で行なった神経根ブロックの造影所見を契機に, 転移性腰椎腫瘍の診断に至った症例を2例経験したので報告する. 症例1:64歳, 男性. 左腰下肢痛. 肝細胞癌の精査・加療のため内科に入院. 腰下肢痛が持続するため, 当科に紹介された. 左L_5 神経根症状を認め, 神経根ブロックを行なった. 造影所見で, 神経根の中枢側途絶像を認め, 精査した. 肝細胞癌の腰椎転移と診断された. 症例2:80歳, 男性. 右腰下肢痛. 近医で, 腰部硬膜外ブロックが施行されたが, 疼痛が持続するため当科に紹介された. L_2 神経根症状を認め, 神経根ブロックを施行した. 造影所見で神経根の中枢側...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2000, Vol.7 (4), p.42-42
Hauptverfasser: 大竹一信, 松崎由美子, 森由香, 内田研一郎, 川井康嗣, 坂部武史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腰下肢痛の治療で行なった神経根ブロックの造影所見を契機に, 転移性腰椎腫瘍の診断に至った症例を2例経験したので報告する. 症例1:64歳, 男性. 左腰下肢痛. 肝細胞癌の精査・加療のため内科に入院. 腰下肢痛が持続するため, 当科に紹介された. 左L_5 神経根症状を認め, 神経根ブロックを行なった. 造影所見で, 神経根の中枢側途絶像を認め, 精査した. 肝細胞癌の腰椎転移と診断された. 症例2:80歳, 男性. 右腰下肢痛. 近医で, 腰部硬膜外ブロックが施行されたが, 疼痛が持続するため当科に紹介された. L_2 神経根症状を認め, 神経根ブロックを施行した. 造影所見で神経根の中枢側途絶像を認め, 精査した. 悪性リンパ腫の腰椎転移と診断された. 考察・まとめ:腰下肢痛の疼痛管理では, 硬膜外ブロックが優先されることが多いが, 神経根ブロックは神経根症で有用な治療手段である上, 診断的にも価値があり, 早期に施行すべきと考えられた.
ISSN:1340-4903