CRPSに対するElectroconvulsive Therapyの試み

従来の各種治療に抵抗したCRPSの7症例(type-I:3例, type-II:4例)に対して, Electroconvulsive Therapy(ECT)を施行したところ, 良好な治療効果が得られたので報告する. 罹患期間は2~5年であり, この間にTENS, SGB, 硬膜外ブロックなどの種々の疼痛療法を施行されていた. しかし疼痛とallodyniaは改善せず, ほぼ寝たきりになったり, 慢性的に車椅子を使用する状態になるなど, ADLの低下が顕著となっていた. そこでECT目的にて当院に入院となった. 患者および家族にECTについて十分な説明をした後に同意を得たうえで, 全身麻酔下に...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2000, Vol.7 (4), p.37-37
Hauptverfasser: 前田岳, 米良仁志, 武山静夫, 土井永史, 中村満
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:従来の各種治療に抵抗したCRPSの7症例(type-I:3例, type-II:4例)に対して, Electroconvulsive Therapy(ECT)を施行したところ, 良好な治療効果が得られたので報告する. 罹患期間は2~5年であり, この間にTENS, SGB, 硬膜外ブロックなどの種々の疼痛療法を施行されていた. しかし疼痛とallodyniaは改善せず, ほぼ寝たきりになったり, 慢性的に車椅子を使用する状態になるなど, ADLの低下が顕著となっていた. そこでECT目的にて当院に入院となった. 患者および家族にECTについて十分な説明をした後に同意を得たうえで, 全身麻酔下に110~120V, 5秒間の通電を前頭部に行う標準的ECTを, 3~6日間隔で合計10~12回施行した. 治療効果は主として他覚的所見から判断され, 特に痛みの範囲の減少とADLの改善が重要視された. 全症例で疼痛は軽減し, その範囲は縮小しallodyniaも消失した. しかしながら, 痛み以外に心理的問題をもつ2症例では明白な改善は得られなかった.
ISSN:1340-4903