慢性呼吸不全を合併した帯状疱疹後神経痛患者の治療経験

神経ブロックの施行が困難な帯状疱疹後神経痛患者では保存的治療に抵抗し, 治療に難渋することが多い. 今回, 慢性呼吸不全を有する帯状疱疹後神経痛患者の疼痛治療を経験したので報告する. 症例は68歳, 男性で肺気腫, 肺性心, 心房細動などを合併し, 気管切開孔を有していた. 3ヵ月前に左上肢に帯状疱疹を罹患し, 抗ウイルス剤, 消炎鎮痛剤などの投与を受けたが, 痔痛が遷延した. 当科受診時, 左第2指指尖部に激しい疼痛, アロディニア, 血行障害を認め, 睡眠障害, 食欲不振のため全身状態は衰弱していた. 神経ブロックの施行が困難と判断し, 疼痛部位の近赤外線照射, 補中益気湯, トラゾドンの...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2000, Vol.7 (4), p.36-36
Hauptverfasser: 高橋良享, 山口重樹, 見塩六生, 奥田泰久, 北島敏光
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:神経ブロックの施行が困難な帯状疱疹後神経痛患者では保存的治療に抵抗し, 治療に難渋することが多い. 今回, 慢性呼吸不全を有する帯状疱疹後神経痛患者の疼痛治療を経験したので報告する. 症例は68歳, 男性で肺気腫, 肺性心, 心房細動などを合併し, 気管切開孔を有していた. 3ヵ月前に左上肢に帯状疱疹を罹患し, 抗ウイルス剤, 消炎鎮痛剤などの投与を受けたが, 痔痛が遷延した. 当科受診時, 左第2指指尖部に激しい疼痛, アロディニア, 血行障害を認め, 睡眠障害, 食欲不振のため全身状態は衰弱していた. 神経ブロックの施行が困難と判断し, 疼痛部位の近赤外線照射, 補中益気湯, トラゾドンの投与を開始した. 当科での治療開始後, 次第に疼痛は軽減し, 3週間目頃より睡眠, 食欲も良好となり, 全身状態も改善した. 本症例では近赤外線照射, 薬物療法が疼痛の軽減に有効であったと考えた.
ISSN:1340-4903