腰椎後方手術における術後鎮痛法の検討

腰椎後方手術の, 簡便で有用な術後鎮痛方法について検討を行なった. 対象・方法:全身麻酔下に髄核摘出術もしくは開窓術を予定された患者32名を, D群(手術開始前ジクロフェナク坐剤50mg投与群), LB群(閉創前0.25%ブピバカイン10ml創部浸潤群), HB群(閉創前0.5%ブピバカイン10ml創部浸潤群), M群(閉創前塩酸モルヒネ3mg+生理食塩水9.7ml創部浸潤群)の4群に無作為に分けた. 調査項目は, 術後ICU入室時(0時間目), 1, 3, 6, 24, 48時間目の安静時および咳嗽(体動)時の疼痛スコア(0~4点), 鎮痛期間, 術後使用した鎮痛薬の量, 副作用の有無とした...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2000, Vol.7 (4), p.15-20
Hauptverfasser: 吉田仁, 神谷和男, 宮本裕子, 長谷川和彦, 朝日丈尚, 樋口昭子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:腰椎後方手術の, 簡便で有用な術後鎮痛方法について検討を行なった. 対象・方法:全身麻酔下に髄核摘出術もしくは開窓術を予定された患者32名を, D群(手術開始前ジクロフェナク坐剤50mg投与群), LB群(閉創前0.25%ブピバカイン10ml創部浸潤群), HB群(閉創前0.5%ブピバカイン10ml創部浸潤群), M群(閉創前塩酸モルヒネ3mg+生理食塩水9.7ml創部浸潤群)の4群に無作為に分けた. 調査項目は, 術後ICU入室時(0時間目), 1, 3, 6, 24, 48時間目の安静時および咳嗽(体動)時の疼痛スコア(0~4点), 鎮痛期間, 術後使用した鎮痛薬の量, 副作用の有無とした. 結果:咳嗽(体動)時疼痛スコアは, 0時間目にM群に比しLB群およびHB群で有意に低値を示した. 鎮痛期間は, HB群およびD群で, M群に比し有意に長かった. 術後48時間で, HB群でのみ半数以上の症例で鎮痛薬を必要としなかった. すべての群で, 術後副作用を認めた症例はなかった. 結論:髄核摘出術もしくは開窓術の術後鎮痛方法として, 塩酸モルヒネ創部浸潤以外の方法は, ほぼ満足のいく鎮痛効果が得られた. 中でも, 0.5%ブピバカインの閉創前創部浸潤は半数以上の症例で術後鎮痛薬を必要とせず, 副作用もなく安全で有用な方法と思われた.
ISSN:1340-4903