多発性骨髄腫を伴う圧迫骨折に対しブロック療法によりADLの改善を認めた1症例

【症例】85歳, 男性. 身長160cm, 体重45Kg. 【現病歴】平成10年11月30日右腰痛出現. 平成11年1月23日より疼痛増強し体動困難となりNSAIDS使用するも無効にて平成11年1月24日当科入院. 【入院時現症】胸腰椎に叩打痛(+), 両下肢筋力低下(4/5). レントゲン, MRIではTH12, L1に圧迫骨折(+)骨粗鬆症を認めた. 血液検査ではTP9.0g/dl↑, A/G比0.78↓, IgG3287↑, 骨髄生検:plasma cell著明, 異形成(+), 免疫電気泳動検査:IgG-κ型M蛋白(+)であり多発性骨髄腫と診断された. 【治療経過】患者本人と家族に病名...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2000, Vol.7 (3), p.159-159
Hauptverfasser: 宝亀彩子, 小澤るり子, 井上鉄夫, 坂本英明, 比嘉正祐, 巌康秀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【症例】85歳, 男性. 身長160cm, 体重45Kg. 【現病歴】平成10年11月30日右腰痛出現. 平成11年1月23日より疼痛増強し体動困難となりNSAIDS使用するも無効にて平成11年1月24日当科入院. 【入院時現症】胸腰椎に叩打痛(+), 両下肢筋力低下(4/5). レントゲン, MRIではTH12, L1に圧迫骨折(+)骨粗鬆症を認めた. 血液検査ではTP9.0g/dl↑, A/G比0.78↓, IgG3287↑, 骨髄生検:plasma cell著明, 異形成(+), 免疫電気泳動検査:IgG-κ型M蛋白(+)であり多発性骨髄腫と診断された. 【治療経過】患者本人と家族に病名を告知したが本人が化学療法を含めた積極的治療を拒否し痛みの治療を希望したため当科にて治療を行った. 腰背部痛に対し硬膜外ブロック, 神経根ブロック, 椎間関節ブロックを行い2月2日には歩行可能となった. 疼痛管理とリハビリテーションにより第22病日に退院となった. 退院後, 外来での週1回の硬膜外ブロックにて経過観察していたが, 4月15日に約2Kgほどの荷物を持ってから再び腰痛と右下肢痛を認め歩行困難となり緊急入院となった. レントゲンにてL4の圧迫骨折を認め神経根ブロックと椎間関節ブロックを行い第9病日には歩行可能となり第20病日に退院となった. 現在も外来通院中である. 【結語】多発性骨髄腫を伴う胸腰椎圧迫骨折に神経根ブロック, 椎間関節ブロックが有効であった1症例を経験したので考察を加え報告する.
ISSN:1340-4903