持続硬膜外ブロック後, 硬膜外血腫を呈したスイート病患者の一例

今回, われわれはスイート病患者に持続硬膜外ブロックを施行中, 下肢の痺れを伴う硬膜外血腫を経験したので報告する. 症例は73歳の男性, スイート病にて平成7年7月より当院皮膚科にて入退院を繰り返していた. 前回入院時, 胸椎圧迫骨折が判明し疼痛管理のため持続硬膜外ブロックを施行し症状改善していた. 今回, 腰痛が増悪したため入院となり, 硬膜外カテーテルを挿入した. 翌日, 注入時痛を認めたためカテーテルを再度挿入した. 3日後に腰痛が増悪し下肢痺れ感が出現した. 運動・知覚麻痺は認められなかった. MRI所見上, 硬膜外腔にT1, T2強調画像で高信号域な占拠病変を認め, 硬膜外血腫を疑っ...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 2000, Vol.7 (3), p.155-155
Hauptverfasser: 遠山貴之, 神山洋一郎, 水嶋章郎, 金井優典, 藤野晋司, 三浦邦久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回, われわれはスイート病患者に持続硬膜外ブロックを施行中, 下肢の痺れを伴う硬膜外血腫を経験したので報告する. 症例は73歳の男性, スイート病にて平成7年7月より当院皮膚科にて入退院を繰り返していた. 前回入院時, 胸椎圧迫骨折が判明し疼痛管理のため持続硬膜外ブロックを施行し症状改善していた. 今回, 腰痛が増悪したため入院となり, 硬膜外カテーテルを挿入した. 翌日, 注入時痛を認めたためカテーテルを再度挿入した. 3日後に腰痛が増悪し下肢痺れ感が出現した. 運動・知覚麻痺は認められなかった. MRI所見上, 硬膜外腔にT1, T2強調画像で高信号域な占拠病変を認め, 硬膜外血腫を疑った. 症状の進行が緩慢であり, 検査所見上炎症反応や発熱がみられたため硬膜外腫瘍も考えたが, スイート病により以前から炎症反応や発熱があり, 明らかな神経症状や局所所見がないことから感染を断定し得なかった. カテーテル先端の培養も陰性だった. 経過とともに徐々に下肢の麻れ感は消失し, MRI上占拠病変の明らかな縮小認められ, 歩行可能となり退院となった. スイート病など炎症疾患では, 硬膜外血腫の診断にMRIが有用と思われた.
ISSN:1340-4903