食道癌再発症例に対する持続腕神経叢ブロックの試み
癌性疼痛の管理は, モルヒネ内服の普及により以前より容易になってきているが, 他の内服薬の併用によっても疼痛管理が困難な場合も多い. 我々は, 食道癌再発により頸部リンパ節腫脹をきたし, 腕神経叢領域の刺激による肩から腕にかけての激痛を生じた症例の疼痛管理を持続腕神経叢ブロックで行った症例を経験したので報告する. 【症例】52歳男性. 平成11年1月食道亜全摘, 食道再建が行われた. 同7月に頸部リンパ節に転移, 再発し化学療法, 放射線療法を受けた. 12月には右頸部から右肩さらには右腕に走る放散痛を認めるようになり, 疼痛管理目的で当科へ紹介された. モルヒネ, NSAID, 抗うつ薬の内...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2000, Vol.7 (3), p.91-91 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 癌性疼痛の管理は, モルヒネ内服の普及により以前より容易になってきているが, 他の内服薬の併用によっても疼痛管理が困難な場合も多い. 我々は, 食道癌再発により頸部リンパ節腫脹をきたし, 腕神経叢領域の刺激による肩から腕にかけての激痛を生じた症例の疼痛管理を持続腕神経叢ブロックで行った症例を経験したので報告する. 【症例】52歳男性. 平成11年1月食道亜全摘, 食道再建が行われた. 同7月に頸部リンパ節に転移, 再発し化学療法, 放射線療法を受けた. 12月には右頸部から右肩さらには右腕に走る放散痛を認めるようになり, 疼痛管理目的で当科へ紹介された. モルヒネ, NSAID, 抗うつ薬の内服を行いながら局所に対しては, トリガーポイント注射と低周波電気治療で対応した. しかしながら, 病勢の進行に伴い疼痛がひどくなり, 鎖骨上窩アプローチにより持続腕神経叢ブロックを行った. 激痛はほぼ消失, 仰臥位での臥床も可能となった. 【考察】癌性疼痛の管理は内服薬のみならず, 神経ブロックが有用であることはよく知られているが, 持続腕神経叢ブロックの報告は多くない. 手技的にも比較的容易で, 疼痛管理の一つの方法として有用と考えられた. |
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ISSN: | 1340-4903 |