長期硬膜外カテーテル留置により在宅疼痛管理が可能であった一症例
末期癌患者のQuality of Life(QOL)の向上を図る一助として在宅管理があげられる. 今回われわれは癌性疼痛の治療として用いた硬膜外カテーテルの長期留置に成功し, かつ約8ヶ月にわたる在宅管理に成功した症例を経験したので, 若干の文献的考察と病理所見を加えて報告する. 症例は62歳男性. 直腸癌にてマイルス氏手術後の再発・転移により腰痛, 会陰部痛のため当科を紹介された. 第3-4腰椎間より下向きに約30cm硬膜外カテーテルを挿入し, 造影しながら位置を調整して皮下トンネルを通して固定した. 除痛確認後2ml/hrにて0.25%ブピバカインの持続注入を開始した. その後薬剤にフェン...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2000, Vol.7 (3), p.88-88 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 末期癌患者のQuality of Life(QOL)の向上を図る一助として在宅管理があげられる. 今回われわれは癌性疼痛の治療として用いた硬膜外カテーテルの長期留置に成功し, かつ約8ヶ月にわたる在宅管理に成功した症例を経験したので, 若干の文献的考察と病理所見を加えて報告する. 症例は62歳男性. 直腸癌にてマイルス氏手術後の再発・転移により腰痛, 会陰部痛のため当科を紹介された. 第3-4腰椎間より下向きに約30cm硬膜外カテーテルを挿入し, 造影しながら位置を調整して皮下トンネルを通して固定した. 除痛確認後2ml/hrにて0.25%ブピバカインの持続注入を開始した. その後薬剤にフェンタニールを追加, 経口モルヒネも併用し, また背部痛のため上部に硬膜外カテーテルを追加留置したが, 半年間週2回の外来通院と自宅でのシャワー後の消毒処置にて感染もなく経過した. 8ヵ月後疼痛激化と転移による歩行障害のため入院し, 以後モルヒネの硬膜外および静注にて管理した. 9ヵ月後トンネル部の腫脹を認めたためカテーテルを抜去した. 病理解剖にて硬膜の若干の変性を認めたが, 感染性変化は認めなかった. |
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ISSN: | 1340-4903 |