ペインクリニック外来で発見された硬膜外クモ膜嚢胞の1例
初診時に見逃された, 硬膜外クモ膜嚢胞の一例を経験したので報告する. 症例は62歳, 男性, 主訴は腰下肢痛である. 既往歴, 家族歴に特記すべきことはない. 本年1月, 腰部, 大腿部痛のために, 当院外来を初診となった. 神経学的所見は明らかではなく, 腰部X線検査にても異常を指摘できなかったために, 0.5%メピバカイン8mlに40mgメチルプレドニゾロン懸濁液を加え, 仙骨硬膜外ブロックが施行された. その後, 疼痛は軽快と増悪を繰り返し, 外来で腰部硬膜外ブロック, 仙骨硬膜外ブロックが数回行われていたが, 経過中に肺炎を起こしたために入院となる. 肺炎軽快後, 腰痛精査のために行わ...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2000, Vol.7 (3), p.87-87 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 初診時に見逃された, 硬膜外クモ膜嚢胞の一例を経験したので報告する. 症例は62歳, 男性, 主訴は腰下肢痛である. 既往歴, 家族歴に特記すべきことはない. 本年1月, 腰部, 大腿部痛のために, 当院外来を初診となった. 神経学的所見は明らかではなく, 腰部X線検査にても異常を指摘できなかったために, 0.5%メピバカイン8mlに40mgメチルプレドニゾロン懸濁液を加え, 仙骨硬膜外ブロックが施行された. その後, 疼痛は軽快と増悪を繰り返し, 外来で腰部硬膜外ブロック, 仙骨硬膜外ブロックが数回行われていたが, 経過中に肺炎を起こしたために入院となる. 肺炎軽快後, 腰痛精査のために行われたMRI検査で脊柱管Th11-L1内の嚢胞性病変が発見された. 胸椎X線検査では同部の椎弓根の圧排像が確認できた. Retrospectiveに腰椎X線写真を確認したところ, 椎弓根に同様の所見が認められた. CTミエログラフィ検査では硬膜外腔に3椎体にわたる嚢胞性病変が存在しTh11レベルでの硬膜内との交通が認められ, 硬膜外クモ膜嚢胞と診断された. 初診時のX線写真を注意深く観察すれば十分に防げた誤診であり, 反省も含めて報告する. |
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ISSN: | 1340-4903 |