乳癌の術後に手根管症候群と診断された3症例
乳癌の治療中には手術による直接的な損傷だけでなく放射線治療や化学療法に伴って神経障害が起こる可能性がある. 今回, 乳癌術後の治療中に手のしびれを主訴として受診し, 手根管症候群と診断された3例を報告する. 症例1)49y.o.主婦, 乳腺全摘術後11ヶ月, 患側のしびれ2)47y.o.主婦, 乳房温存術後6ヶ月, 両側(健側に痛みを伴う)のしびれ3)49y.o.主婦, 乳房温存術後19ヶ月, 健側のしびれがあり, 理学的所見と神経伝導速度の測定により手根管症候群と診断された. 3例ともに保存的治療(浮腫に対する利尿剤投与, リハビリテーション, トリガーポイント注射等)を試みたが症例2では改...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 2000, Vol.7 (3), p.86-86 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 乳癌の治療中には手術による直接的な損傷だけでなく放射線治療や化学療法に伴って神経障害が起こる可能性がある. 今回, 乳癌術後の治療中に手のしびれを主訴として受診し, 手根管症候群と診断された3例を報告する. 症例1)49y.o.主婦, 乳腺全摘術後11ヶ月, 患側のしびれ2)47y.o.主婦, 乳房温存術後6ヶ月, 両側(健側に痛みを伴う)のしびれ3)49y.o.主婦, 乳房温存術後19ヶ月, 健側のしびれがあり, 理学的所見と神経伝導速度の測定により手根管症候群と診断された. 3例ともに保存的治療(浮腫に対する利尿剤投与, リハビリテーション, トリガーポイント注射等)を試みたが症例2では改善せず, 手術を選択した. 手根管症候群は中年の女性に多い疾患であり, 乳癌の術後には治療や合併症などによりさらに罹患し易い状態にあると考えられる. 診断にあたっては手術, 放射線療法や化学療法などの治療に伴う副作用との鑑別が必要であり, 進行癌の患者では再発の可能性も念頭においておく必要性があると考えられる. |
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ISSN: | 1340-4903 |