星状神経節ブロックにより気管支喘息が軽快した1症例
突発性難聴に対し星状神経節ブロック(SGB)を施行したところ, 副産物的な効果として気管支喘息が軽快した症例を経験したので報告する. 症例:63歳, 男性. 現病歴:1993年, 慢性中耳炎により左耳の聴力喪失. 1997年3月30日より右耳の聴力低下. 4月3日当院耳鼻科にて突発性難聴と診断され入院, SGB目的に4月4日当科紹介. 既往歴:小児期より気管支喘息あり, 1985年頃より大発作頻回に出現. 1993年気管支喘息, 肺気腫の診断にて在宅酸素療法開始. 1985年糖尿病を指摘され1994年より経口剤服用するもコントロール不良. 初診時現症:聴力は左右ともほぼ完全に消失し, 筆談が必...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 1999, Vol.6 (4), p.413-413 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 突発性難聴に対し星状神経節ブロック(SGB)を施行したところ, 副産物的な効果として気管支喘息が軽快した症例を経験したので報告する. 症例:63歳, 男性. 現病歴:1993年, 慢性中耳炎により左耳の聴力喪失. 1997年3月30日より右耳の聴力低下. 4月3日当院耳鼻科にて突発性難聴と診断され入院, SGB目的に4月4日当科紹介. 既往歴:小児期より気管支喘息あり, 1985年頃より大発作頻回に出現. 1993年気管支喘息, 肺気腫の診断にて在宅酸素療法開始. 1985年糖尿病を指摘され1994年より経口剤服用するもコントロール不良. 初診時現症:聴力は左右ともほぼ完全に消失し, 筆談が必要. O_2 鼻カニューラ3リットル /分にて, SpO_2 93~95%, Hugh-Johnes分類でV度. 検査所見:胸部X線で肺気腫像を認めた. 呼吸機能検査で%VC83%, FEV 1.0% 19.8%. 治療経過:耳鼻科での治療とともに, 当科にて1回/日のSGBを行ない, 4月19日計16回施行の時点で耳鼻科より治療終了の指示があったが, 聴力はわずかに改善するも依然筆談が必要であった. 本人よりSGB開始以後喘息発作が出現していないとの話があり, SGB継続の希望があったため外来にて1回/週継続施行した. 5月には一人でシャワー可能になり運動能の改善を認めた. 8月には, 聴力も補聴器使用にて日常会話可能となったため, それ以降は本人の希望もあり, SGBは左右交互に施行した. 1998年3月胃癌(signet ring cell carcinoma)にて入院, 4月永眠されたが, その入院直前まで1回/週のSGBにて気管支喘息大発作は起こらなかった. |
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ISSN: | 1340-4903 |