皮下埋め込み型硬膜外投与システムを用いて癌性疼痛を管理した1症例

近年癌性疼痛管理の一手段として, 硬膜外あるいはクモ膜下にカテーテルを埋め込み, モルヒネなどの鎮痛剤投与を行なう方法が注目されている. 経口など他の投与経路に比べて鎮痛剤の必要量が少ない, 局所麻酔薬の併用により体動時痛も効率的に管理できる, 自宅でも使用可能, などが利点としてあげられているが, 一方カテーテルの迷入による神経損傷硬膜外膿瘍や髄膜炎などの感染症の危険性も無視できない. 今回われわれは, 胆嚢癌の仙骨内転移による下肢痛症例を, 皮下埋め込み型硬膜外投与システムを用いて管理した. いったんは理想的な除痛効果が得られて在宅医療に移行したが, その後カテーテルの迷入および仙骨内腫瘍...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 1999, Vol.6 (4), p.404-404
Hauptverfasser: 高橋秀則, 宮崎美由紀, 南部 隆, 柳田 尚, 森田茂穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年癌性疼痛管理の一手段として, 硬膜外あるいはクモ膜下にカテーテルを埋め込み, モルヒネなどの鎮痛剤投与を行なう方法が注目されている. 経口など他の投与経路に比べて鎮痛剤の必要量が少ない, 局所麻酔薬の併用により体動時痛も効率的に管理できる, 自宅でも使用可能, などが利点としてあげられているが, 一方カテーテルの迷入による神経損傷硬膜外膿瘍や髄膜炎などの感染症の危険性も無視できない. 今回われわれは, 胆嚢癌の仙骨内転移による下肢痛症例を, 皮下埋め込み型硬膜外投与システムを用いて管理した. いったんは理想的な除痛効果が得られて在宅医療に移行したが, その後カテーテルの迷入および仙骨内腫瘍の進展により薬液注入不可能となったため, カテーテルの再埋め込みを施行したところ, 急速な原疾患の悪化とともに髄膜炎を併発し死に至らしめた. 症例を通じて本法の適応や他の除痛手段との比較などについて考察してみたい.
ISSN:1340-4903