当院における難治性疼痛に対する麻薬の使用状況
麻薬は悪性腫瘍による疼痛に使用されているのが一般的であり, その使用量は年々増加傾向にあるが, これら麻薬を良性疾患に使用するには賛否両論ありその是非については未だ結論に達していないのが現状である. われわれの施設ではこれまで術後瘢痕疼痛症候群, CRPSなどの難治性疼痛計14例に対し麻薬の経口投与を行ってきているが, その際(1)できることならば弱麻薬でという考えから, まずリン酸コデインの投与から開始すること, (2)可能であればドラッグチャレンジテストを施行すること, (3)麻薬を使用することに対する患者の同意を必ず得ること, (3)麻薬内服により生じうる副作用に関し十分な説明を行うこと...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 1999, Vol.6 (3), p.131-131 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 麻薬は悪性腫瘍による疼痛に使用されているのが一般的であり, その使用量は年々増加傾向にあるが, これら麻薬を良性疾患に使用するには賛否両論ありその是非については未だ結論に達していないのが現状である. われわれの施設ではこれまで術後瘢痕疼痛症候群, CRPSなどの難治性疼痛計14例に対し麻薬の経口投与を行ってきているが, その際(1)できることならば弱麻薬でという考えから, まずリン酸コデインの投与から開始すること, (2)可能であればドラッグチャレンジテストを施行すること, (3)麻薬を使用することに対する患者の同意を必ず得ること, (3)麻薬内服により生じうる副作用に関し十分な説明を行うことなどの基本的原則に基づきその投与を開始している. 14例の平均年齢は53.0±14.9歳であり, 使用している麻薬は全例リン酸コデインから開始していたが, うち4例はその経過中に塩酸にモルヒネに変更していた. 麻薬の投与により疼痛が完全に消失した症例は1例も認められなかったものの, VASが低下しそれまで使用していたペンタゾシン, ブプレノルフィンから離脱でき, ADLの改善が認められるなど患者の満足が得られた症例は7例と全体の50%であった. 一方, 無効例が4例, 投与中止例が3例認められた. 発表に際してはドラッグチャレンジテストの結果と麻薬による鎮痛効果の関連性, 麻薬使用による問題点, 当院ペインクリニック外来に通院している患者への麻薬に関するアンケート調査の結果も含め報告する予定である. |
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ISSN: | 1340-4903 |