帯状疱疹と単純疱疹による三叉神経領域の疼痛に続発した顔面神経麻痺の2例

われわれは今回, 帯状疱疹と単純疱疹による三叉神経領域の疼痛に続発した顔面神経麻痺例を2例経験したので報告する. 症例1:72歳, 女性. 1994年1月1日に左顔面痛を発症し, 三叉神経ニューロパシーの診断で2月7日よりSGBを開始した. 顔面の発疹はなかったが, 2月14日のHSVIgG抗体が1,280倍であった. 3月20日左顔面神経麻痺(12/40点)を発症した. ステロイドパルス療法, SGBを行ない, 4月12日スコア38点と改善した. 症例2:63歳, 男性. 1997年11月22日三叉神経第3枝領域に帯状疱疹発症. アシクロビルを投与されていたが, 12月9日左顔面神経麻痺(2...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 1998, Vol.5 (4), p.505-505
Hauptverfasser: 田井重行, 林 健児, 赤松信彦, 加藤進太, 岡崎 敦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:われわれは今回, 帯状疱疹と単純疱疹による三叉神経領域の疼痛に続発した顔面神経麻痺例を2例経験したので報告する. 症例1:72歳, 女性. 1994年1月1日に左顔面痛を発症し, 三叉神経ニューロパシーの診断で2月7日よりSGBを開始した. 顔面の発疹はなかったが, 2月14日のHSVIgG抗体が1,280倍であった. 3月20日左顔面神経麻痺(12/40点)を発症した. ステロイドパルス療法, SGBを行ない, 4月12日スコア38点と改善した. 症例2:63歳, 男性. 1997年11月22日三叉神経第3枝領域に帯状疱疹発症. アシクロビルを投与されていたが, 12月9日左顔面神経麻痺(20/40点)を発症した. 耳介部の水胞はみられなかった. 2例とも耳介部に疱疹を認めず, ハント症候群は否定的であるが, 三叉神経のウイルス感染に引き続き顔面神経麻痺が発症した病態は, (1)顔面神経への感染の波及, (2)炎症性腫脹による神経管での圧迫, (3)髄膜炎の関与, (4)血管炎の波及, (5)疼痛によるストレス, が考えられる.
ISSN:1340-4903