肩手症候群に対する星状神経節近傍への低反応レベルレーザー照射の効果と副作用
星状神経節近傍への, 低反応レベルレーザー治療法(LLLT)は, 星状神経節ブロック(SGB)と類似した効果が期待でき, SGBに比べて安全に行える利点がある. しかしその効果がSGBに比べて弱い点や, 星状神経節が甲状腺に近いことから, 甲状腺機能に影響を及ぼす可能性が問題点として残されている. そこで今回我々は, 抗凝固薬を使用中のため, SGBを避けた方がよいと考えられる患者で, 星状神経節近傍へのLLLTの効果と甲状腺機能への影響を検討した. 【対象】脳卒中後の肩および上肢の疼痛, 腫脹, 運動制限により当院リハビリテーション科入院中で, LLLLTを施行した肩手症候群患者20名につい...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 1998, Vol.5 (3), p.373-373 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 星状神経節近傍への, 低反応レベルレーザー治療法(LLLT)は, 星状神経節ブロック(SGB)と類似した効果が期待でき, SGBに比べて安全に行える利点がある. しかしその効果がSGBに比べて弱い点や, 星状神経節が甲状腺に近いことから, 甲状腺機能に影響を及ぼす可能性が問題点として残されている. そこで今回我々は, 抗凝固薬を使用中のため, SGBを避けた方がよいと考えられる患者で, 星状神経節近傍へのLLLTの効果と甲状腺機能への影響を検討した. 【対象】脳卒中後の肩および上肢の疼痛, 腫脹, 運動制限により当院リハビリテーション科入院中で, LLLLTを施行した肩手症候群患者20名についてその効果発現時期と症状改善度を調査し, このうち7名についてはLLLT前・1週間後・1ヶ月後のFreeT_3 ・T_4 ・TSH値を測定し, 甲状腺機能への影響を検討した. 患者はLLLT施行前より内分泌疾患, 甲状腺疾患は伴わず, 治療は1回20分間で週5回行った. 【結果と考察】全例10回以内の照射でLLLTの効果が発現し, 1ヶ月で著明な疼痛, 腫脹の改善が認められた. 疼痛, 腫脹の軽快に伴いリハビリ効果が発揮され運動制限も軽減した. 甲状腺機能検査では, 1名でTSH値の上昇が認められた以外, 有意な変化は認められなかった. 【結語】星状神経節近傍へのLLLTは, 肩手症候群に対してSGBに準じた効果が期待できるが, 甲状腺への作用はTSH上昇症例もあることから, 慎重に検討する必要がある. |
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ISSN: | 1340-4903 |