当院における胸腔鏡下交感神経節遮断術について

当院は平成10年1月に開院した地域中核的病院である. 開院当初より当院麻酔科では, 手掌多汗症や上肢反射性交感神経性萎縮症に対して胸腔鏡下交感神経節遮断術を施行している. 当科で行っている術式はClaesらがはじめた泌尿器科用のレゼクトスコープを用いる単一ポートによる方法であり, 麻酔はシングルルーメンの気管内チューブを用いた全身麻酔である. 当科で開院後約1ヶ月間に施行した胸腔鏡下交感神経節遮断術は9例(17肢)であり, 手掌多汗症が8例(16肢), 上肢反射性交感神経性萎縮症が1例(1肢)であった. 全例治療効果は良好であり, 合併症としては遷延する気胸が1例見られたが, 脱気などの処置も...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 1998, Vol.5 (3), p.318-318
Hauptverfasser: 伊達 久, 村上憲孝, 兼子忠延, 長沼芳和, 橋本保彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:当院は平成10年1月に開院した地域中核的病院である. 開院当初より当院麻酔科では, 手掌多汗症や上肢反射性交感神経性萎縮症に対して胸腔鏡下交感神経節遮断術を施行している. 当科で行っている術式はClaesらがはじめた泌尿器科用のレゼクトスコープを用いる単一ポートによる方法であり, 麻酔はシングルルーメンの気管内チューブを用いた全身麻酔である. 当科で開院後約1ヶ月間に施行した胸腔鏡下交感神経節遮断術は9例(17肢)であり, 手掌多汗症が8例(16肢), 上肢反射性交感神経性萎縮症が1例(1肢)であった. 全例治療効果は良好であり, 合併症としては遷延する気胸が1例見られたが, 脱気などの処置もせずに改善した. また, 手掌多汗症患者の胸腔鏡下交感神経節遮断術前後のカテコールアミンを測定し, 手術や前投薬・体位による影響などについて調べてみたので併せて報告する. 当院における胸腔鏡下交感神経節遮断術はまだ始まったばかりではあるが, 現在のところは安全で効果が高い方法である. 今後は術前後の変化が患者に及ぼす影響などについてもより考察していく必要があると思われた.
ISSN:1340-4903