星状神経節ブロックが奏効したと思われる有痛性眼筋麻痺の1症例

症例:63歳, 男性. 主訴:左眼窩部痛, 眼瞼下垂, 複視. 既往歴:インスリン依存性糖尿病, 帯状疱疹, 慢性関節リウマチ. 現病歴:1996年1月21日, 当院を受診し, 左動眼神経麻痺の診断にて治療が開始された. 消炎鎮痛薬およびカルバマゼピンの投与にもかかわらず激痛が続くため, 同25日, 当科に紹介された. 現症:眼窩から前頭部に針で刺すような激痛あり. 左眼瞼下垂, 左眼球の内転, 上転, 下転障害を認めたが, 瞳孔径, 対光反射には異常がなかった. 治療経過:星状神経節ブロック(1日1回)を開始後, 2月28日には疼痛が消失, その後3月13日には眼瞼下垂が, 4月3日には複視...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 1997, Vol.4 (4), p.500-500
Hauptverfasser: 津野信輔, 竹吉 悟, 多幾山礼子, 前川隆英, 黒川博己, 木村美葉, 岡崎賢治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:63歳, 男性. 主訴:左眼窩部痛, 眼瞼下垂, 複視. 既往歴:インスリン依存性糖尿病, 帯状疱疹, 慢性関節リウマチ. 現病歴:1996年1月21日, 当院を受診し, 左動眼神経麻痺の診断にて治療が開始された. 消炎鎮痛薬およびカルバマゼピンの投与にもかかわらず激痛が続くため, 同25日, 当科に紹介された. 現症:眼窩から前頭部に針で刺すような激痛あり. 左眼瞼下垂, 左眼球の内転, 上転, 下転障害を認めたが, 瞳孔径, 対光反射には異常がなかった. 治療経過:星状神経節ブロック(1日1回)を開始後, 2月28日には疼痛が消失, その後3月13日には眼瞼下垂が, 4月3日には複視が治癒した. 考察:本例の眼筋麻痺の原因は, MRI検査およびウイルス抗体価に異常がなく重症の糖尿病患者であることより, 糖尿病性の可能性が高いと考えた. 星状神経節ブロックは血行改善および疼痛による交感神経の過緊張状態の抑制の両面から有用と思われた.
ISSN:1340-4903