フェンタニル, ブピバカインを用いた術後硬膜外持続注入による疼痛管理

持続硬膜外による術後鎮痛が一般化してきたが, 施設により使用薬剤, 投与量は異なっている. 今回当院の開腹術症例に対して硬膜外持続注入による疼痛管理を行い有効と思われたので報告する. (対象と方法) 当院外科開腹患者で鎮痛目的に術後硬膜外持続注入を行った32例で, 硬膜外チューブは術当日全身麻酔施行前に挿入した. 上腹部手術でTh7-9, 下腹部手術でTh10-L1より上方6cmほど挿入した. 術中は全身麻酔に持続硬膜外麻酔を併用した. 手術終了時よりバクスター社製インフューザーポンプ2ml/hrを接続し硬膜外持続投与とした. 使用薬剤は0.25%マーカイン190mlとフェンタニル50mlの混...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 1997, Vol.4 (3), p.179-179
Hauptverfasser: 石川慎一, 藤田淳史, 高島武煥, 赤尾正樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:持続硬膜外による術後鎮痛が一般化してきたが, 施設により使用薬剤, 投与量は異なっている. 今回当院の開腹術症例に対して硬膜外持続注入による疼痛管理を行い有効と思われたので報告する. (対象と方法) 当院外科開腹患者で鎮痛目的に術後硬膜外持続注入を行った32例で, 硬膜外チューブは術当日全身麻酔施行前に挿入した. 上腹部手術でTh7-9, 下腹部手術でTh10-L1より上方6cmほど挿入した. 術中は全身麻酔に持続硬膜外麻酔を併用した. 手術終了時よりバクスター社製インフューザーポンプ2ml/hrを接続し硬膜外持続投与とした. 使用薬剤は0.25%マーカイン190mlとフェンタニル50mlの混合液で5日間投与した. 鎮痛の評価を帰室後20分(術後0日), 術後1,2,3,4,5日目朝まで行った. 安静時痛をフェイス・スケールで6段階に, 体動時痛を(0:痛みなし, 1:少し痛い, 2:中等度痛い, 3:痛くて我慢できない)の4段階とした. また使用した鎮痛剤の量と回数, 副作用について記録した. (結果) 12例に術直後に補助鎮痛薬を必要としたが, 以後の疼痛は抑えられた. 5日間に補助鎮痛薬を必要としなかったものも14例認められた. 帰室直後の安静時スコアは平均1.84, 体動時スコアは平均1.71であった. 尿閉2例, 痺れ3例, 頭痛1例であったが, 血圧低下, 掻痒, 嘔吐, 呼吸抑制は認められなかった. (結語) 術直後を除いて有効に疼痛管理を行えた. また術直後の鎮痛には補助薬を1回投与することで対処できた. 重篤な合併症もほとんど認められなかった.
ISSN:1340-4903