Tolosa-Hunt症候群の1例
星状神経節ブロック(以下SGB)が有効であった, 再発を繰り返すTolosa-Hunt症候群(以下T-H)の症例を経験したので報告する. 症例は, 41歳, 男性, 平成9年1月左眼窩部痛と眼球運動制限が出現し近医を受診, 5日後に除痛目的のために当科紹介となる. 来院時左眼の奥の持続性の痛み, 左眼球の内転障害, 眼瞼浮腫が認められた. 来院時眼の奥の痛みは, 急性期の半分以下に低下していた. 過去に3回右眼においても同様の症状が, 約1か月間持続し近医で消炎鎮痛剤で治療を行い緩解していた. 今回頭部MRI, CTでは海綿静脈洞周囲に異常所見は認められなかったが, 臨床経過からT-Hを疑い,...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 1997, Vol.4 (3), p.163-163 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 星状神経節ブロック(以下SGB)が有効であった, 再発を繰り返すTolosa-Hunt症候群(以下T-H)の症例を経験したので報告する. 症例は, 41歳, 男性, 平成9年1月左眼窩部痛と眼球運動制限が出現し近医を受診, 5日後に除痛目的のために当科紹介となる. 来院時左眼の奥の持続性の痛み, 左眼球の内転障害, 眼瞼浮腫が認められた. 来院時眼の奥の痛みは, 急性期の半分以下に低下していた. 過去に3回右眼においても同様の症状が, 約1か月間持続し近医で消炎鎮痛剤で治療を行い緩解していた. 今回頭部MRI, CTでは海綿静脈洞周囲に異常所見は認められなかったが, 臨床経過からT-Hを疑い, SGBを開始した. 連日外来で15回SGBを施行したところ除痛が得られ, 眼球運動障害, 眼瞼浮腫が改善された. T-Hでは副腎皮質ステロイドが, 有効と考えられているが, 本症例においては来院時痛みが急性期の半分に低下していたこと, ステロイドの副作用を考慮してSGBと消炎鎮痛剤で治療したところ症状の軽快が認められた. T-Hに対するSGBの治療効果の報告は少ないが, 対症療法的な治療効果が認められたことから早期よりSGBを開始することが有効と思われた. |
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ISSN: | 1340-4903 |