帯状疱疹後神経痛に対するelectro convulsive therapyの試み
当院では, 難治性のうつ病に対し, 積極的にelectro convulsive therapy(ECT)を施行し, 良好な結果を得ている. 今回, うつ症状を伴う帯状疱疹後神経痛に対し, 主にうつ症状の改善を目的にECTを施行したところ, 神経痛の改善をみた症例を経験したので報告する. 症例は, 74歳女性. 平成7年1月28日, 右C4~6領域の帯状疱疹発症. 2月2日当院皮膚科に入院し治療開始したが, 痛みが強く, 2月9日より持続硬膜外ブロックを開始し, その後6月まで星状神経節ブロックおよび硬膜外ブロックをくり返したが, 結局帯状疱疹後神経痛を形成した. 夏頃より次第にうつ症状も伴う...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 1996, Vol.3 (4), p.459-459 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 当院では, 難治性のうつ病に対し, 積極的にelectro convulsive therapy(ECT)を施行し, 良好な結果を得ている. 今回, うつ症状を伴う帯状疱疹後神経痛に対し, 主にうつ症状の改善を目的にECTを施行したところ, 神経痛の改善をみた症例を経験したので報告する. 症例は, 74歳女性. 平成7年1月28日, 右C4~6領域の帯状疱疹発症. 2月2日当院皮膚科に入院し治療開始したが, 痛みが強く, 2月9日より持続硬膜外ブロックを開始し, その後6月まで星状神経節ブロックおよび硬膜外ブロックをくり返したが, 結局帯状疱疹後神経痛を形成した. 夏頃より次第にうつ症状も伴うようになったため, 9月26日精神科入院, 10月2日よりECTを開始した. 1回目終了後より明らかに疼痛の軽減が認められ, 現在4回終了時点で, 安静時痛, 接触痛ともにほとんど消失し, 上肢の現局した部分に筋肉痛様の痛みを残すだけに改善した. ECTは, 脳内の神経伝達物質, 主にアドレナリン, セロトニン系を賦活することにより, うつ状態に対して有効であるといわれている. 今回のような症例に鎮痛効果が認められた理由は不明な点が多いが, 主に下行性抑制系の賦活, うつ状態の改善による痛みの軽減等が示唆される. 今後症例をふやして検討したい. |
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ISSN: | 1340-4903 |