低濃度局所麻酔薬による交感神経遮断効果の再評価

星状神経節ブロック(以下SGB)施行時均一な効果を得る事と同時に合併症対策は重要である. 合併症発生後の回復時間短縮の観点から, 低濃度局所麻酔薬の使用は有用と考えられるが, Mepivacaineにおける交感神経遮断効果について, 筆田1)らは顔面部では遮断効果は0.5%で得られ, 上肢での遮断効果は臨床所見では判定しがたいとし, 平石2)はドップラー血流計での計測から0.5%と1%に差はないと報告した. 今回0.25%と0.5%Mepivacaine 6mlによるC7 SGBを23症例に対して160回施行し, 臨床所見から交感神経遮断効果を検討した. 対象と方法 45-85才の男性7例,...

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Veröffentlicht in:日本ペインクリニック学会誌 1995, Vol.2 (2), p.226-226
1. Verfasser: 守安信明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:星状神経節ブロック(以下SGB)施行時均一な効果を得る事と同時に合併症対策は重要である. 合併症発生後の回復時間短縮の観点から, 低濃度局所麻酔薬の使用は有用と考えられるが, Mepivacaineにおける交感神経遮断効果について, 筆田1)らは顔面部では遮断効果は0.5%で得られ, 上肢での遮断効果は臨床所見では判定しがたいとし, 平石2)はドップラー血流計での計測から0.5%と1%に差はないと報告した. 今回0.25%と0.5%Mepivacaine 6mlによるC7 SGBを23症例に対して160回施行し, 臨床所見から交感神経遮断効果を検討した. 対象と方法 45-85才の男性7例, 女性16例, 疾患は顔面上胸部帯状疱疹, 帯状疱疹後神経痛6例, 頚椎症, 頚椎神経根症15例, 交感神経過緊張症2例である. 交感神経遮断効果はHorner徴侯, 手掌部の発汗停止, 手掌部温感を指標としスコア化(3点満点, 4段階評価)した. 全例施行後30分の安静臥床後退室時に3指標を検討した. 結果 濃度別スコア(0.5%群/0.25%群)はHorner徴侯(2.7/2.2)手掌発汗停止(2.0/1.2)手掌温感(2.3/1.6)であった. 合併症は15例(嗄声7例, 血管穿破8例)で回復時間は30-120分と一定しなかった. 考察 今回の検討からは顔面部では0.5%Mepivacaineで交感神経遮断効果は得られることが示唆されたが, 上肢では不明瞭だった. 合併症では回復時間の短縮は見られず, 演者の場合手技的因子が大きいと考えられた. 1) 麻酔 Vol.27 No.11 p1227 1978 2) 第22回日本ペインクリニック学会抄録集 p123 1988
ISSN:1340-4903