背部穿刺痛の記憶に及ぼすミダゾラム静注投与の影響
緒言)ミダゾラム(MZ)は前向性健忘効果が強いとされている. MZ投与後の脊椎麻酔時の背部穿刺痛の記憶などへの影響を検討し, 安全に穿刺痛の記憶を消退させうるMZの適切な投与法について検討した. 方法)承諾の得られた17歳から70歳までの, ASAのPS1または2の患者103名に対して, 0, 0.01, 0.02, 0.04, 0.08mg/kgのMZを二重盲検法で選択し, 背部穿刺直前に投与し記憶への影響を絵画想起などの心理学的手法で検討した. 特に背部穿刺痛の記憶への影響, 麻酔レベル判定への影響などを点数化し評価した. また, MZ投与後のSpO_2 の変化や患者の感想についても検討し...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 1995, Vol.2 (2), p.202-202 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言)ミダゾラム(MZ)は前向性健忘効果が強いとされている. MZ投与後の脊椎麻酔時の背部穿刺痛の記憶などへの影響を検討し, 安全に穿刺痛の記憶を消退させうるMZの適切な投与法について検討した. 方法)承諾の得られた17歳から70歳までの, ASAのPS1または2の患者103名に対して, 0, 0.01, 0.02, 0.04, 0.08mg/kgのMZを二重盲検法で選択し, 背部穿刺直前に投与し記憶への影響を絵画想起などの心理学的手法で検討した. 特に背部穿刺痛の記憶への影響, 麻酔レベル判定への影響などを点数化し評価した. また, MZ投与後のSpO_2 の変化や患者の感想についても検討した. さらに, 前投薬併用時のMZ投与の影響についても検討した. なお, Fisher検定でp値<0.05を有意とした. 結果)前投薬投与(P)群と非投与(NP)群で背部穿刺痛の記憶の消退, 絵画想起の抑制などの作用は, 用量依存的に増強したが, 両群間に有意差はなかった. しかし, MZ投与後のSpO_2 はP群では低下しやすく, 麻酔レベル判定はやや困難となり, NP群との間に有意差があった. 考察)P群, NP群とも用量依存的に背部穿刺痛の記憶の消退に有効と思われたが, MZ 0.08mg/kg投与群では3例で酸素投与だけでなく気道確保が必要となったが, 年齢と前投薬の影響が示唆された. 結語)背部穿刺直前の少量MZ投与は, 穿刺痛の記憶の消退に有効と思われ, 患者感想も概ね良好であったが, 極少量のMZ投与によってもSpO_2 低下が認められたため注意すべきと思われた. |
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ISSN: | 1340-4903 |