胸腔鏡下胸部交感神経節切除術
当科では, 1991年より現在までに腹腔鏡下胆嚢摘出術110例, 胸腔鏡下のブラ切除術8例を行ってきた. これら, 鏡視下手術の延長として, 胸腔鏡下胸部交感神経節切除術4例をおこなった. 症例は, いずれも男性(年令26-67才)であり, 手掌多汗症3例, バージャー病1例であった. 手掌多汗症の2例には, 一期的に両側の神経節を切除した. 全身麻酔, 分離肺挿管下に, 患側を下にした側臥位とし, 第5肋間前腋か線で30度斜視胸腔鏡を挿入し, さらに第3及び第5肋間で2本の鉗子孔をもうけて行った. 操作中は, 片肺換気とし, 術側肺を虚脱させて行った. 交感神経節確認後, その直上の壁側胸膜...
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Veröffentlicht in: | 日本ペインクリニック学会誌 1995, Vol.2 (2), p.150-150 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 当科では, 1991年より現在までに腹腔鏡下胆嚢摘出術110例, 胸腔鏡下のブラ切除術8例を行ってきた. これら, 鏡視下手術の延長として, 胸腔鏡下胸部交感神経節切除術4例をおこなった. 症例は, いずれも男性(年令26-67才)であり, 手掌多汗症3例, バージャー病1例であった. 手掌多汗症の2例には, 一期的に両側の神経節を切除した. 全身麻酔, 分離肺挿管下に, 患側を下にした側臥位とし, 第5肋間前腋か線で30度斜視胸腔鏡を挿入し, さらに第3及び第5肋間で2本の鉗子孔をもうけて行った. 操作中は, 片肺換気とし, 術側肺を虚脱させて行った. 交感神経節確認後, その直上の壁側胸膜を切開し, 神経節, 神経幹を胸膜さらに背側の肋間動静脈を傷つけないように剥離したのち, 血管用クリップを切離すべき神経節の上下端にかけ, その間を切除した. 神経節の切除は, Th1の下1/3からTh2, Th3を切除するようにしているが, 術後のHorner症候群の発生は, みていない. 神経節の確認は, 肋椎関節付近で, 鎖骨下動脈などを指標とし, 白い硬い索状物として, 視診触診上, 比較的容易であるが, 1例は, 胸部交感神経節ブロックの既往による神経節萎縮のため, 困難であった. 洗浄止血確認後, 胸腔ドレーンを第5肋間前腋か線の胸腔鏡挿入孔より留置した. これは, 術後1-2日で抜去し, 患者は術後平均4日で退院した. この手術を供覧するとともに, 術後の発汗のfollow-upについても報告する. |
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ISSN: | 1340-4903 |