肝細胞癌に対する経皮的ラジオ波焼灼療法と肝切除の治療成績の比較検討

緒言 近年, 肝細胞癌(HCC)に対する経皮的治療はラジオ波焼灼療法(RFA)が主流となり, これまで行われてきたアルコール注入療法(PEIT)と比べてより確実な局所効果が得られ1)2), またマイクロ波凝固療法(PMCT)よりも広範囲な焼灼範囲が得られるようになった3). 一方, 以前よりHCCに対するスタンダードな治療法として肝切除が広く行われてきたが, 両者の治療成績について詳細に比較検討されたものは少なく, なかでも小型のHCCに対する治療法の第一選択は決定されていない. そこで今回, RFAの治療成績についてその再発率と生存率に注目し, 肝切除との比較検討を行った. I. 対象と方法...

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Veröffentlicht in:Journal of Microwave Surgery 2006/09/30, Vol.24, pp.101-104
Hauptverfasser: 林, 秀樹, 西垣, 洋一, 冨田, 栄一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:緒言 近年, 肝細胞癌(HCC)に対する経皮的治療はラジオ波焼灼療法(RFA)が主流となり, これまで行われてきたアルコール注入療法(PEIT)と比べてより確実な局所効果が得られ1)2), またマイクロ波凝固療法(PMCT)よりも広範囲な焼灼範囲が得られるようになった3). 一方, 以前よりHCCに対するスタンダードな治療法として肝切除が広く行われてきたが, 両者の治療成績について詳細に比較検討されたものは少なく, なかでも小型のHCCに対する治療法の第一選択は決定されていない. そこで今回, RFAの治療成績についてその再発率と生存率に注目し, 肝切除との比較検討を行った. I. 対象と方法 対象は, 1999年1月~2005年9月までの間に当院で治療を行い, 6ヵ月以上経過を観察し得た3cm以下, 単発のHCC症例102例(RFA群:77例, 肝切除群:25例)である. 平均観察期間は918日(中央値781日)であった. 患者背景を表1に示す. 両群間に有意差があったものとして, 性別はRFA群が男性/女性=51/26, 肝切除群が22/3であり, 肝切除の方に男性患者が有意に多く含まれていた(p=0.042).
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.24.101