肝円蓋部に発生した肝細胞癌3例に対する胸腔鏡下マイクロウェーブ凝固術

肝細胞癌(HCC)に対する局所療法は, 超音波ガイド下でのエタノール注入療法(PEIT)から始まり, マイクロ波凝固療法(MCT), ラジオ波凝固療法(RFA)と多岐にわたる. しかし, 通常の症例に用いられる経皮的アプローチは腫瘍の占拠部分が肝円蓋部の場合, 困難であることが多い. また腫瘍が大きく, 経皮的には治療しきれないこともある. これらの症例に対応する方法として, 鏡視下(腹腔鏡, 胸腔鏡)MCTは直視下に多数回施行できるという利点を有し, 開腹よりも低侵襲的な局所凝固療法を可能とした1). 今回, 肝円蓋部に発生したHCCに対して胸腔鏡下MCTを3例に施行し良好な成績を得たので,...

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Veröffentlicht in:Journal of Microwave Surgery 2003, Vol.21, pp.83-87
Hauptverfasser: 若山, 顕治, 神山, 俊哉, 松下, 通明, 中川, 隆公, 倉内, 宣明, 蒲池, 浩文, 緒方, 俊郎, 菊地, 弘展, 腰塚, 靖之, 佐藤, 正法, 藤堂, 省
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:肝細胞癌(HCC)に対する局所療法は, 超音波ガイド下でのエタノール注入療法(PEIT)から始まり, マイクロ波凝固療法(MCT), ラジオ波凝固療法(RFA)と多岐にわたる. しかし, 通常の症例に用いられる経皮的アプローチは腫瘍の占拠部分が肝円蓋部の場合, 困難であることが多い. また腫瘍が大きく, 経皮的には治療しきれないこともある. これらの症例に対応する方法として, 鏡視下(腹腔鏡, 胸腔鏡)MCTは直視下に多数回施行できるという利点を有し, 開腹よりも低侵襲的な局所凝固療法を可能とした1). 今回, 肝円蓋部に発生したHCCに対して胸腔鏡下MCTを3例に施行し良好な成績を得たので, その有用性について報告する. HCCの低侵襲療法として我々は3cm以内, 3個以内, 経皮的な治療が困難な肝円蓋部に発生し肝予備能が低下しているもの, 又は肝切除後の再発HCCで高度な癒着が肝円蓋部に予想されるなどの理由で肝切除が困難な症例を胸腔鏡下MCTの適応とし, 3例施行した(表1). 鏡視下MCTの除外例は, 肝外脈管近接例, 有脈管内腫瘍塞栓例, 肝機能高度低下例, 出血傾向高度例である. 手術方法は片側肺換気, 左側臥位で, まず第5肋間中液窩線上に12mmのポートを置き, ここからカメラを挿入して横隔膜面を観察した.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.21.83