3 急性期脳梗塞に対する血栓回収療法の最前線

「はじめに ~血栓回収療法のこれまでのエビデンス~」急性期脳梗塞は, 心筋梗塞と同様に迅速な治療が必要であり, 脳神経血管内治療の発展により多くの患者の機能的予後の改善をもたらした. 1970年代に冠動脈形成術が成功してから約20年以上遅れ脳血管閉塞に対する血栓回収療法は, 急性期脳梗塞の治療として革新的な進展をもたらした. 1990年代には, 急性期脳梗塞の治療は主に組織プラスミノーゲン活性化因子 (tissue plasminogen activator ; tPA) の投与が中心であったが, 当初は発症から3時間以内にしか投与できないとする時間的制約 (現在は4.5時間) や投与禁忌や慎...

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Veröffentlicht in:心臓 2024-07, Vol.56 (7), p.627-632
Hauptverfasser: 藤田恭平, 平井作京, 壽美田一貴
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに ~血栓回収療法のこれまでのエビデンス~」急性期脳梗塞は, 心筋梗塞と同様に迅速な治療が必要であり, 脳神経血管内治療の発展により多くの患者の機能的予後の改善をもたらした. 1970年代に冠動脈形成術が成功してから約20年以上遅れ脳血管閉塞に対する血栓回収療法は, 急性期脳梗塞の治療として革新的な進展をもたらした. 1990年代には, 急性期脳梗塞の治療は主に組織プラスミノーゲン活性化因子 (tissue plasminogen activator ; tPA) の投与が中心であったが, 当初は発症から3時間以内にしか投与できないとする時間的制約 (現在は4.5時間) や投与禁忌や慎重投与などの制限も多く, 使用できる患者はかなり限られていた. これらの適応内の投与においても脳出血のリスクがあり, 安全性を考慮した厳格な使用が求められていた. 2000年代に入り, 脳血管内で血栓を直接取り除く「機械的血栓回収療法 (mechanical thrombectomy)」が登場した.
ISSN:0586-4488