生前に診断し得た閉塞性壁内冠動脈アミロイドーシスの1例

《Abstract》症例は75歳男性. 70歳で多発性骨髄腫の診断となり当院血液内科で加療中であった. 75歳時に夜間や運動中に30分程度続く胸部不快感を訴えるようになり当科紹介となった. 負荷心筋シンチグラフィにて負荷時像で下壁の集積低下と安静時像でのFill inを認めたため, 冠動脈造影を施行したが表在冠動脈に有意狭窄を認めなかった. 心筋生検で心筋内小血管にアミロイド沈着を認め, 閉塞性壁内冠動脈アミロイドーシスと診断した. 過去に剖検にて診断した1例を報告したが, 生前に診断し得た症例は少ない. INOCA(Ischemia with Non-Obstructive Coronary...

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Veröffentlicht in:心臓 2024-03, Vol.56 (3), p.289-296
Hauptverfasser: 児玉圭太, 津崎江美, 中川翔太, 中村美紀子, 青島広幸, 水野侯人, 榊原智晶, 大西一平, 松永正紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:《Abstract》症例は75歳男性. 70歳で多発性骨髄腫の診断となり当院血液内科で加療中であった. 75歳時に夜間や運動中に30分程度続く胸部不快感を訴えるようになり当科紹介となった. 負荷心筋シンチグラフィにて負荷時像で下壁の集積低下と安静時像でのFill inを認めたため, 冠動脈造影を施行したが表在冠動脈に有意狭窄を認めなかった. 心筋生検で心筋内小血管にアミロイド沈着を認め, 閉塞性壁内冠動脈アミロイドーシスと診断した. 過去に剖検にて診断した1例を報告したが, 生前に診断し得た症例は少ない. INOCA(Ischemia with Non-Obstructive Coronary Artery disease)の一病態として微小血管を障害する本疾患も念頭におく必要があると考え報告する.
ISSN:0586-4488