岩本論文に対するEditorial Comment

切除可能乳がん(主にStage I-III)に対しては集学的治療が行われるが, 依然として一部は再発をきたし, 進行・再発乳がんは根治困難である. 周術期には, 術後再発リスクの低下や全生存期間の延長を目的に, 病理学的検査に基づくサブタイプ分類にかかわらず, 多くの患者にアントラサイクリンやタキサンを中心とした化学療法が行われている. 乳がん診療における顆粒球コロニー刺激因子製剤(以下G-CSF製剤)の役割は大きく二つある. 一つには, 重篤な有害事象や死亡率の低下であり, 化学療法を行う際に一次予防投与することにより, 発熱性好中球減少症(FN)発症率の低下, 感染症による死亡率の低下が目...

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Veröffentlicht in:心臓 2023-12, Vol.55 (12), p.1174-1175
1. Verfasser: 田尻和子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:切除可能乳がん(主にStage I-III)に対しては集学的治療が行われるが, 依然として一部は再発をきたし, 進行・再発乳がんは根治困難である. 周術期には, 術後再発リスクの低下や全生存期間の延長を目的に, 病理学的検査に基づくサブタイプ分類にかかわらず, 多くの患者にアントラサイクリンやタキサンを中心とした化学療法が行われている. 乳がん診療における顆粒球コロニー刺激因子製剤(以下G-CSF製剤)の役割は大きく二つある. 一つには, 重篤な有害事象や死亡率の低下であり, 化学療法を行う際に一次予防投与することにより, 発熱性好中球減少症(FN)発症率の低下, 感染症による死亡率の低下が目的である. 二つ目は, 乳がん再発リスクの低下・生存率の改善であり, G-CSF製剤を用いながら化学療法の投与間隔を短縮したdose-dense化学療法を行い, dose intensityを高め, 化学療法の効果を上げることが目的である.
ISSN:0586-4488