心房細動患者における心房構造的リモデリングの組織学的検証

「研究の概説」心房細動はなぜ進行し持続するようになるのでしょうか? 教科書的には, 「心房筋の電気的および構造的特性が徐々に変化し, 不応期の短縮や間質の線維化による興奮の伝導遅延が生じることで, リエントリーが維持されやすくなる」が模範解答でしょうか. 学術的には, 不応期の短縮を電気的リモデリング, 線維化や左房の拡大を構造的リモデリングと呼びます. ただ, 不整脈専門医の私にも, 電気的リモデリングや構造的リモデリングは直接目に見えなかったため, その本体はずっと謎のままでした. 構造的リモデリングは, これまで開心術時の左心耳切除標本や剖検例において, その本体は線維化であると報告され...

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Veröffentlicht in:心臓 2023-10, Vol.55 (10), p.995-999
1. Verfasser: 山口尊則
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「研究の概説」心房細動はなぜ進行し持続するようになるのでしょうか? 教科書的には, 「心房筋の電気的および構造的特性が徐々に変化し, 不応期の短縮や間質の線維化による興奮の伝導遅延が生じることで, リエントリーが維持されやすくなる」が模範解答でしょうか. 学術的には, 不応期の短縮を電気的リモデリング, 線維化や左房の拡大を構造的リモデリングと呼びます. ただ, 不整脈専門医の私にも, 電気的リモデリングや構造的リモデリングは直接目に見えなかったため, その本体はずっと謎のままでした. 構造的リモデリングは, これまで開心術時の左心耳切除標本や剖検例において, その本体は線維化であると報告されてきました. 我々が普段診察する非弁膜症性心房細動の症例も, 構造的リモデリングの主因は線維化だろうと想像されてきました. 構造的リモデリングの進行は, 臨床的には左房の拡大で推測できます.
ISSN:0586-4488