複数の画像検査で診断された先天性左室憩室症の1例

症例は72歳女性.近医での腹部超音波検査で腹部大動脈瘤を疑われ当院心臓血管外科を受診した.大血管造影CTの動脈相で乳頭筋レベルに心室中隔欠損様の構造を認め,精査目的で当科に紹介された.経胸壁心エコー図検査では左右短絡を示唆するカラーシグナルはなかった.カテーテル検査の左室造影で病変部は右室に突出する左室中隔瘤または憩室様にみられ,右室への短絡はなかった.心臓MRIでは病変部周囲が正常な心筋で覆われ心室中隔壁内に留まっており,左室の収縮とともに収縮運動がみられる筋性憩室であった.左室憩室が中隔に発生した報告は少なく,心室中隔欠損症との鑑別を要したが,複数の画像検査を活用し,筋性の先天性左室憩室症...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2023/05/15, Vol.55(5), pp.520-525
Hauptverfasser: 塩谷, 郁美, 藤原, 理佐子, 柴原, 徹, 加藤, 僚佑, 藤原, 美貴子, 藤原, 敏弥, 阿部, 芳久, 渡邊, 博之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は72歳女性.近医での腹部超音波検査で腹部大動脈瘤を疑われ当院心臓血管外科を受診した.大血管造影CTの動脈相で乳頭筋レベルに心室中隔欠損様の構造を認め,精査目的で当科に紹介された.経胸壁心エコー図検査では左右短絡を示唆するカラーシグナルはなかった.カテーテル検査の左室造影で病変部は右室に突出する左室中隔瘤または憩室様にみられ,右室への短絡はなかった.心臓MRIでは病変部周囲が正常な心筋で覆われ心室中隔壁内に留まっており,左室の収縮とともに収縮運動がみられる筋性憩室であった.左室憩室が中隔に発生した報告は少なく,心室中隔欠損症との鑑別を要したが,複数の画像検査を活用し,筋性の先天性左室憩室症と診断した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.55.520