原発性アルドステロン症に合併した特発性冠動脈解離の1例

59歳女性.二次性高血圧の精査目的に約1年前に精査を行った既往がある.その際,原発性アルドステロン症と診断され,今後副腎静脈サンプリングが検討されていた.今回,突然の胸痛,嘔気を主訴に救急要請し来院した.来院時の心電図で前胸部誘導のST上昇を認め,緊急冠動脈造影を施行した.非特異的な造影所見であったが,後日施行した心臓CTで左前下行枝近位部に線状の解離を認め,特発性冠動脈解離と診断した.特発性冠動脈解離は線維筋性異形成の合併が多いことが知られており,全身のスクリーニングを施行した.頭部MRIにおいて右中大脳動脈および前交通動脈に脳動脈瘤を認めた.原発性アルドステロン症に特発性冠動脈解離,脳動脈...

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Veröffentlicht in:心臓 2023/04/15, Vol.55(4), pp.437-444
Hauptverfasser: 加藤, 善之, 古賀, 将史, 桒田, 真吾, 御手洗, 敬信, 奥山, 和明, 出雲, 昌樹, 石橋, 祐記, 田邉, 康宏, 原田, 智雄, 明石, 嘉浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:59歳女性.二次性高血圧の精査目的に約1年前に精査を行った既往がある.その際,原発性アルドステロン症と診断され,今後副腎静脈サンプリングが検討されていた.今回,突然の胸痛,嘔気を主訴に救急要請し来院した.来院時の心電図で前胸部誘導のST上昇を認め,緊急冠動脈造影を施行した.非特異的な造影所見であったが,後日施行した心臓CTで左前下行枝近位部に線状の解離を認め,特発性冠動脈解離と診断した.特発性冠動脈解離は線維筋性異形成の合併が多いことが知られており,全身のスクリーニングを施行した.頭部MRIにおいて右中大脳動脈および前交通動脈に脳動脈瘤を認めた.原発性アルドステロン症に特発性冠動脈解離,脳動脈瘤を合併した報告はこれまでになく,また特発性冠動脈解離の画像診断ならびに頭蓋内スクリーニングの重要性が示唆された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.55.437