感染性大動脈炎の診断, 治療効果判定に低b値MRI拡散強調画像 (low-b DWI) が有用であった1例

《Abstract》感染性大動脈炎は稀な疾患ではあるが, 進行すると大動脈瘤を形成し, 死亡率が高い. 症例は67歳男性, 2週間続く発熱を主訴に来院した. 血液検査でCRPが8.8mg/dLと炎症反応の上昇を認めた以外, 特に異常を認めなかった. CT検査では大動脈弓部周囲の脂肪織濃度上昇を認め, 何らかの炎症性疾患が疑われたため, MRI検査を実施したところ, 低b値MRI拡散強調画像(low-b DWI)で上行大動脈から大動脈弓部血管壁の高信号を認めた. 血液培養検査にてペニシリン感受性Streptococcus mitisを検出したことから, 画像所見を踏まえて, 感染性大動脈炎と診断...

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Veröffentlicht in:心臓 2023-03, Vol.55 (3), p.282-288
Hauptverfasser: 大下祐也, 入田純, 森弥華, 中村真胤, 宮崎慈大, 阿部亜里紗, 森英城, 太宰康伸, 高田泰治, 二宮克彦, 風谷幸男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:《Abstract》感染性大動脈炎は稀な疾患ではあるが, 進行すると大動脈瘤を形成し, 死亡率が高い. 症例は67歳男性, 2週間続く発熱を主訴に来院した. 血液検査でCRPが8.8mg/dLと炎症反応の上昇を認めた以外, 特に異常を認めなかった. CT検査では大動脈弓部周囲の脂肪織濃度上昇を認め, 何らかの炎症性疾患が疑われたため, MRI検査を実施したところ, 低b値MRI拡散強調画像(low-b DWI)で上行大動脈から大動脈弓部血管壁の高信号を認めた. 血液培養検査にてペニシリン感受性Streptococcus mitisを検出したことから, 画像所見を踏まえて, 感染性大動脈炎と診断した. 抗菌薬による治療開始後, 炎症反応およびMRI画像所見は軽快した. 感染性大動脈炎の症状は非特異的であり, 早期診断は困難である. そのため, 発見が遅れ感染性大動脈瘤の状態で発見されることが多い. 今回, low-b DWIが, 感染性大動脈炎の早期診断と, その後の治療効果判定に有用であった1例を経験した.
ISSN:0586-4488