岡田論文に対するEditorial Comment
2014年7月に, ニボルマブは世界初の抗programmed cell death protein 1(PD-1)抗体として製造販売承認を取得し, 本邦では同年9月より販売が開始された. それからすでに8年余りが経過し, 長期間の投与より長期奏功を得る症例も多く報告されている. 岡田らは下咽頭癌に対して4年間のニボルマブ投与の後に心筋症を発症した症例を報告した. ニボルマブ投与との明らかな因果関係は不明であるが, 長期投与後に発症した重篤な有害事象の報告は非常に少なく, 報告するに値するものである. 岡田論文の症例は, 心臓超音波検査で左室壁運動低下を認めるも, 心筋生検組織には炎症細胞浸潤...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2022/08/15, Vol.54(8), pp.952-953 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 2014年7月に, ニボルマブは世界初の抗programmed cell death protein 1(PD-1)抗体として製造販売承認を取得し, 本邦では同年9月より販売が開始された. それからすでに8年余りが経過し, 長期間の投与より長期奏功を得る症例も多く報告されている. 岡田らは下咽頭癌に対して4年間のニボルマブ投与の後に心筋症を発症した症例を報告した. ニボルマブ投与との明らかな因果関係は不明であるが, 長期投与後に発症した重篤な有害事象の報告は非常に少なく, 報告するに値するものである. 岡田論文の症例は, 心臓超音波検査で左室壁運動低下を認めるも, 心筋生検組織には炎症細胞浸潤はなく, 免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor;ICI)の心臓への有害事象として最も有名な心筋炎は否定的であった. 経過からICIによる心筋症と判断され, 一般的な心不全治療により心機能改善し, その後経過良好となっている. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.54.952 |