藤井論文に対するEditorial Comment

乳癌は女性において最も罹患率の高いがんであり, 日本人女性におけるその罹患率は, 2018年のデータで10万人あたり145人である. 乳癌の治療成績は年々向上し, 5年相対生存率は92.3%と報告されている(2009年~2011年). 乳癌治療にはアントラサイクリン系薬剤やトラスツズマブに代表される抗HER2(human epidermal growth factor receptor type 2)薬がキードラッグとなって使用されているが, これらの薬剤にはがん治療関連心機能障害(CTRCD:cancer therapeutics-related cardiac dysfunction)を引...

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Veröffentlicht in:心臓 2022/07/15, Vol.54(7), pp.821-822
Hauptverfasser: 田尻, 和子, 中澤, 陽子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳癌は女性において最も罹患率の高いがんであり, 日本人女性におけるその罹患率は, 2018年のデータで10万人あたり145人である. 乳癌の治療成績は年々向上し, 5年相対生存率は92.3%と報告されている(2009年~2011年). 乳癌治療にはアントラサイクリン系薬剤やトラスツズマブに代表される抗HER2(human epidermal growth factor receptor type 2)薬がキードラッグとなって使用されているが, これらの薬剤にはがん治療関連心機能障害(CTRCD:cancer therapeutics-related cardiac dysfunction)を引き起こす可能性がある. CTRCDの発生は心機能低下による患者のQOLの低下や生命予後の悪化につながるだけでなく, がん治療の中断やそれに伴うがん自体の予後の増悪をもたらし得る.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.54.821