左心収縮不全を伴う心室中隔欠損症に対し経皮的心室中隔欠損閉鎖術を含む集学的治療を行い良好な経過をたどった1例

症例は79歳男性.初発の心不全で入院した.心電図で完全左脚ブロック,心エコー図で左室の拡大(拡張末期径74 mm)と収縮低下(駆出率24%),膜様部心室中隔欠損症を認めた.心臓カテーテル検査では冠動脈に有意狭窄なく,心筋生検では二次性心筋症の所見はみられなかった.右心室でO2 step upを認め,肺体血流比は1.66であり,欠損孔閉鎖の適応と考えられた.高齢・低心機能のため開心術のリスクが大きく,経皮的心室中隔欠損閉鎖術を選択した.全身麻酔下で,大腿動静脈間でガイドワイヤーを欠損孔経由でプルスルーし,右心系からAmplatzerTM Duct Occluder Ⅰを留置した.その後,両心室ペ...

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Veröffentlicht in:心臓 2022/07/15, Vol.54(7), pp.803-810
Hauptverfasser: 佐久間, 実のり, 久保田, 直樹, 尾崎, 和幸, 阿部, 忠朗, 塚田, 正範, 沼野, 藤人, 齋藤, 昭彦, 黒川, 孝国, 井神, 康宏, 保屋野, 真, 猪又, 孝元
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:症例は79歳男性.初発の心不全で入院した.心電図で完全左脚ブロック,心エコー図で左室の拡大(拡張末期径74 mm)と収縮低下(駆出率24%),膜様部心室中隔欠損症を認めた.心臓カテーテル検査では冠動脈に有意狭窄なく,心筋生検では二次性心筋症の所見はみられなかった.右心室でO2 step upを認め,肺体血流比は1.66であり,欠損孔閉鎖の適応と考えられた.高齢・低心機能のため開心術のリスクが大きく,経皮的心室中隔欠損閉鎖術を選択した.全身麻酔下で,大腿動静脈間でガイドワイヤーを欠損孔経由でプルスルーし,右心系からAmplatzerTM Duct Occluder Ⅰを留置した.その後,両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器(cardiac resynchronization therapy defibrillator;CRT-D)を留置し,至適な薬物治療を加えた.その結果,左室の縮小(拡張末期径47 mm)と収縮改善(駆出率42%)を認め,心不全徴候は軽快した.経皮的心室中隔欠損閉鎖術は低侵襲であり,本例のような高齢・低心機能で外科的手術が高リスクの症例において一つの選択肢と考えられる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.54.803