僧帽弁閉鎖不全症,大動脈弁狭窄症による重症心不全に合併したHeyde症候群に対して経皮的僧帽弁接合不全修復術,経皮的大動脈弁植込み術を施行し改善が得られた1例
症例は77歳女性.僧帽弁閉鎖不全症,大動脈弁狭窄症による非代償性心不全と繰り返す消化管出血のため,頻回の入院治療を要していた.右心カテーテル検査ではForrester Ⅳ群(肺動脈楔入圧26 mmHg,心係数1.76 L/min/m2)の心不全を認めた.心不全の主因として,重症僧帽弁閉鎖不全症が考えられ,第13病日に経皮的僧帽弁接合不全修復術(transcatheter mitral valve repair;TMVr)を施行した.その後,黒色便を認め,貧血が進行したため緊急内視鏡検査を行ったところ,盲腸,上行結腸,S状結腸に毛細血管拡張と出血を認めたためクリッピング術を施行した.大動脈弁狭窄...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2022/06/15, Vol.54(6), pp.714-719 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は77歳女性.僧帽弁閉鎖不全症,大動脈弁狭窄症による非代償性心不全と繰り返す消化管出血のため,頻回の入院治療を要していた.右心カテーテル検査ではForrester Ⅳ群(肺動脈楔入圧26 mmHg,心係数1.76 L/min/m2)の心不全を認めた.心不全の主因として,重症僧帽弁閉鎖不全症が考えられ,第13病日に経皮的僧帽弁接合不全修復術(transcatheter mitral valve repair;TMVr)を施行した.その後,黒色便を認め,貧血が進行したため緊急内視鏡検査を行ったところ,盲腸,上行結腸,S状結腸に毛細血管拡張と出血を認めたためクリッピング術を施行した.大動脈弁狭窄症と繰り返す消化管出血および消化管粘膜の毛細血管拡張を認めることからHeyde症候群が疑われたため,フォンウィルブランド因子マルチマー解析を施行したところ高分子マルチマーの欠損を認めたためHeyde症候群と診断した.第43病日に大動脈弁狭窄症に対して経皮的大動脈弁植込み術(transcatheter aortic valve implantation;TAVI)を施行した.その後,消化管出血は改善しフォンウィルブランド因子マルチマー解析では高分子マルチマーは改善していた.心不全も著明に改善し第62病日に独歩退院した.今回,我々は僧帽弁閉鎖不全症,大動脈弁狭窄症,反復する消化管出血を合併した症例に対して弁膜症へのカテーテル治療を行うことで著明な改善が得られた症例を経験した. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.54.714 |