奇異性脳塞栓に対する卵円孔開存症閉鎖術:現状と当院での治療
「●当院のBrain-Heart Teamと治療成績」 一般的に胎児においては卵円孔を介して右心房と左心房に交通がある. 通常は, この卵円孔は出生と共に閉鎖することが期待されるが, 実は4人に1人は開存していることがわかっており, これを卵円孔開存症(PFO)と呼ぶ. 古くから若年者の潜因性脳梗塞の約半分にはPFOが認められ, それらの患者が未治療であると脳梗塞の再発率が高いことが言われていた. そのため抗血栓療法を行うことや, カテーテルを用いたPFO閉鎖が一部の患者で行われてきたが, 約30年間, 十分な情報とエビデンスはなかった. そうした中で2017年秋に3つの臨床試験で同時にPFO...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2021/07/15, Vol.53(7), pp.757-762 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「●当院のBrain-Heart Teamと治療成績」 一般的に胎児においては卵円孔を介して右心房と左心房に交通がある. 通常は, この卵円孔は出生と共に閉鎖することが期待されるが, 実は4人に1人は開存していることがわかっており, これを卵円孔開存症(PFO)と呼ぶ. 古くから若年者の潜因性脳梗塞の約半分にはPFOが認められ, それらの患者が未治療であると脳梗塞の再発率が高いことが言われていた. そのため抗血栓療法を行うことや, カテーテルを用いたPFO閉鎖が一部の患者で行われてきたが, 約30年間, 十分な情報とエビデンスはなかった. そうした中で2017年秋に3つの臨床試験で同時にPFOに対するデバイス閉鎖の有用性が証明された. その結果を受けて, 本邦でもPFO閉鎖に注目が集まり, 2019年5月に日本脳卒中学会, 日本循環器学会, 日本心血管インターベンション治療学会の合同により潜因性脳梗塞に対する経皮的卵円孔開存閉鎖術の手引きが作られた. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.53.757 |