短期間に軽快した完全房室ブロックと恒久的左脚ブロックを呈した病因不明の若年症例

症例は35歳男性.胸部違和感で近医受診,完全房室ブロックで,右脚ブロック型の補充調律を呈したが,発症3日目,本院来院時には左脚ブロックを伴う洞調律に変わっていた.しかし直後に洞頻脈傾向となり,Ⅱ度房室ブロックが起こったが,まもなく1:1伝導に回復した.頻脈傾向が改善するにつれ,房室解離が起こり,房室接合部調律が出現したが,そのレートは77と非発作性房室接合部頻拍であった.さらに洞調律数の低下とともに,洞調律と非発作性房室接合部頻拍が混在しながら,翌日完全な洞調律となった.この間特別な薬物治療は行わなかった.完全房室ブロックの経過と左脚ブロックが持続した事より,ぺースメーカを挿入したが,その後房...

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Veröffentlicht in:心臓 2020/12/15, Vol.52(12), pp.1404-1412
Hauptverfasser: 栗本, 透, 松岡, 幸代
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は35歳男性.胸部違和感で近医受診,完全房室ブロックで,右脚ブロック型の補充調律を呈したが,発症3日目,本院来院時には左脚ブロックを伴う洞調律に変わっていた.しかし直後に洞頻脈傾向となり,Ⅱ度房室ブロックが起こったが,まもなく1:1伝導に回復した.頻脈傾向が改善するにつれ,房室解離が起こり,房室接合部調律が出現したが,そのレートは77と非発作性房室接合部頻拍であった.さらに洞調律数の低下とともに,洞調律と非発作性房室接合部頻拍が混在しながら,翌日完全な洞調律となった.この間特別な薬物治療は行わなかった.完全房室ブロックの経過と左脚ブロックが持続した事より,ぺースメーカを挿入したが,その後房室ブロックが起こることはなく,退院後は全く通常の生活に復している.発症の原因,誘因については,種々の検査を行うが,明らかにならず,現時点では特発性と言わざるを得ない.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.52.1404