Fallot四徴症術後遠隔期に高度右心不全をきたした高齢女性の1例
Fallot四徴症に対する心内修復術の遠隔成績については各方面から研究が行われ,その予後は比較的良好であるとされる.しかし診断および治療戦略の向上から過去に心内修復術を受けた患者がより長期生存できるようになり,これまでに報告のない合併症や非典型的な心不全増悪をきたす症例が増加すると予想される.今回Fallot四徴症の初回手術から55年,心内修復術から35年が経過した心不全増悪症例を経験した.直腸がん肺転移に対して抗がん化学療法を長期にわたって施行されており,治療開始前はNYHA class 1で経過していたが,徐々に慢性心不全の増悪をきたし抗がん化学療法が施行困難になり,最終的にNYHA cl...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2020/11/15, Vol.52(11), pp.1298-1304 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Fallot四徴症に対する心内修復術の遠隔成績については各方面から研究が行われ,その予後は比較的良好であるとされる.しかし診断および治療戦略の向上から過去に心内修復術を受けた患者がより長期生存できるようになり,これまでに報告のない合併症や非典型的な心不全増悪をきたす症例が増加すると予想される.今回Fallot四徴症の初回手術から55年,心内修復術から35年が経過した心不全増悪症例を経験した.直腸がん肺転移に対して抗がん化学療法を長期にわたって施行されており,治療開始前はNYHA class 1で経過していたが,徐々に慢性心不全の増悪をきたし抗がん化学療法が施行困難になり,最終的にNYHA class 4の重症心不全をきたした.初診時よりFallot四徴症の術後遠隔期に認められる重症肺動脈弁逆流を認められていたが,腫瘍の増勢のため再手術などは検討されていなかった.自然経過としても本症例のように長期生存が得られた症例の報告は少なく,その経過を報告するとともに長期生存例に特有の諸問題について考察する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.52.1298 |