カフェイン中毒による若年女性のVF stormの1例

症例は23歳の女性.気分不快後に意識消失し,痙攣を認めた.救急隊接触時に心室細動(VF)を認め,電気的除細動に難治性で,来院後もVFを繰り返した.また著明なアシデミアに加え,低カリウム血症を含む電解質異常を認めた.冠動脈造影検査では冠動脈に有意狭窄は認めなかった.経皮的心肺補助法(PCPS)導入後は洞調律を維持できるようになり血行動態も安定した.その後カフェイン製剤を購入していたことが判明し,来院時の検体ではカフェイン血中濃度186.6 mg/L(カフェイン摂取量8 g相当)であり,カフェイン中毒の診断に至った.入院2日目に心室頻拍が出現したが,ランジオロール投与と血液透析を行い,以降は致死性...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:心臓 2020/09/15, Vol.52(9), pp.1030-1034
Hauptverfasser: 吉田, 聡哉, 前田, 眞勇輔, 犬飼, 高平, 森崎, 英典, 林, 拓海, 廣瀬, 未来, 久野, 晋平, 松脇, 佑次, 竹中, 真規, 吉田, 路加, 青山, 豊, 小椋, 康弘, 鈴木, 博彦, 海野, 一雅, 吉田, 幸彦, 花澤, 朋樹, 芳澤, 朋大
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:症例は23歳の女性.気分不快後に意識消失し,痙攣を認めた.救急隊接触時に心室細動(VF)を認め,電気的除細動に難治性で,来院後もVFを繰り返した.また著明なアシデミアに加え,低カリウム血症を含む電解質異常を認めた.冠動脈造影検査では冠動脈に有意狭窄は認めなかった.経皮的心肺補助法(PCPS)導入後は洞調律を維持できるようになり血行動態も安定した.その後カフェイン製剤を購入していたことが判明し,来院時の検体ではカフェイン血中濃度186.6 mg/L(カフェイン摂取量8 g相当)であり,カフェイン中毒の診断に至った.入院2日目に心室頻拍が出現したが,ランジオロール投与と血液透析を行い,以降は致死性不整脈が出現することなく経過した.一方で低酸素脳症のため,入院12日目に気管切開を行い,41日目に転院となった.VFの原因は多岐にわたるが,本例はカフェイン中毒によりVF stormに至っており教訓的であり今回報告した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.52.1030