真菌による巨大疣贅を認めた心室ペースメーカリード感染および三尖弁感染性心内膜炎の1手術例

症例は84歳男性で15年前に完全房室ブロックに対し,DDDペースメーカを留置されている.前医で2カ月前に胆のう炎と鼠径ヘルニアの診断で胆のう摘出手術および鼠径ヘルニア根治手術を行った.その後,抗生剤の投与を継続していたが,術前からの発熱と炎症反応の改善が得られず,心不全症状も認められるようになり,術後10日目に心エコー検査を施行したところ,心室リードと三尖弁に付着する巨大な疣贅を認めたため,当院へ転院となった.血液培養でCandida albicansが検出され,真菌による感染性心内膜炎の診断で準緊急手術を施行した.手術は人工心肺下に感染部位の完全な廓清とリード抜去,三尖弁置換術を行った.抗真...

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Veröffentlicht in:心臓 2020/06/15, Vol.52(6), pp.629-634
Hauptverfasser: 鈴木, 伸章, 佐々木, 花恵, 山崎, 志穂, 柳谷, 和明, 板垣, 皓大, 長沼, 政亮, 坂爪, 公, 祐川, 誉徳, 増田, 信也, 永谷, 公一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は84歳男性で15年前に完全房室ブロックに対し,DDDペースメーカを留置されている.前医で2カ月前に胆のう炎と鼠径ヘルニアの診断で胆のう摘出手術および鼠径ヘルニア根治手術を行った.その後,抗生剤の投与を継続していたが,術前からの発熱と炎症反応の改善が得られず,心不全症状も認められるようになり,術後10日目に心エコー検査を施行したところ,心室リードと三尖弁に付着する巨大な疣贅を認めたため,当院へ転院となった.血液培養でCandida albicansが検出され,真菌による感染性心内膜炎の診断で準緊急手術を施行した.手術は人工心肺下に感染部位の完全な廓清とリード抜去,三尖弁置換術を行った.抗真菌剤の投与を継続し,感染がコントロールされた後,心外膜リードによるペースメーカ挿入を行い,術後47日目にリハビリテーション継続の目的で他院へ転院となった.真菌による感染性心内膜炎は稀ではあるが致死的であり,早期の診断,手術,抗真菌薬投与継続が重要である.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.52.629