前田論文に対するEditorial Comment: QT延長症候群の遺伝子変異と房室ブロック

QT延長症候群 (LQTS) はQT時間の延長と, 多形性心室頻拍, torsade de pointes (TdP), 心室細動を起こし突然死する可能性のある遺伝性不整脈である. 表1に示す多くの原因遺伝子が報告されているが, いくつかの遺伝子以外はQT延長との因果関係がはっきりしていない. また, 薬剤性 (抗不整脈薬, 抗ヒスタミン薬, 抗生剤, 抗精神病薬など), 電解質異常 (低K血症, 低Mg血症など), 徐脈などに伴う二次性LQTSも知られている. KCNH2, SCN5A, KCNQ1の3つの遺伝子変異は, いくつかの家系での連鎖解析, 実験, 臨床観察の結果, 遺伝子変異とL...

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Veröffentlicht in:心臓 2020/05/15, Vol.52(5), pp.545-547
1. Verfasser: 住友, 直方
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:QT延長症候群 (LQTS) はQT時間の延長と, 多形性心室頻拍, torsade de pointes (TdP), 心室細動を起こし突然死する可能性のある遺伝性不整脈である. 表1に示す多くの原因遺伝子が報告されているが, いくつかの遺伝子以外はQT延長との因果関係がはっきりしていない. また, 薬剤性 (抗不整脈薬, 抗ヒスタミン薬, 抗生剤, 抗精神病薬など), 電解質異常 (低K血症, 低Mg血症など), 徐脈などに伴う二次性LQTSも知られている. KCNH2, SCN5A, KCNQ1の3つの遺伝子変異は, いくつかの家系での連鎖解析, 実験, 臨床観察の結果, 遺伝子変異とLQTSの因果関係がはっきりしている. またCALM1, CALM2, CALM3の3つのカルモジュリン関連遺伝子変異はde novoでの発症が多く, LQTSとの因果関係が強く, 乳児期や5歳までの小児期に著明なQT延長に伴い, 徐脈や房室ブロックを呈することが報告されている.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.52.545