三尖弁異形成に対するAugmentation法による三尖弁形成術の1例
機能性三尖弁閉鎖不全症(TR)やEbstein病に対する三尖弁形成術(TVP)は様々な術式が報告されており,その一つにAugmentation法がある.我々は成人三尖弁異形成(TVD)の高度TRに対して,自己心膜を用いたAugmentation法によるTVPを行い,良好な結果を得たので報告する.症例は66歳の女性.主訴は労作時息切れ.心エコーでは三尖弁中隔尖の付着位置が右室側に軽度偏位しており,心房粗動と高度TRを伴うTVDと診断された.手術はTVPとメイズ手術を行った.三尖弁は後尖寄りの中隔尖弁輪が右室側に最大10 mm落ち込んでおり,さらに中隔尖と後尖に間隙を認めた.前尖から後尖は自己心膜...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2019/09/15, Vol.51(9), pp.959-964 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 機能性三尖弁閉鎖不全症(TR)やEbstein病に対する三尖弁形成術(TVP)は様々な術式が報告されており,その一つにAugmentation法がある.我々は成人三尖弁異形成(TVD)の高度TRに対して,自己心膜を用いたAugmentation法によるTVPを行い,良好な結果を得たので報告する.症例は66歳の女性.主訴は労作時息切れ.心エコーでは三尖弁中隔尖の付着位置が右室側に軽度偏位しており,心房粗動と高度TRを伴うTVDと診断された.手術はTVPとメイズ手術を行った.三尖弁は後尖寄りの中隔尖弁輪が右室側に最大10 mm落ち込んでおり,さらに中隔尖と後尖に間隙を認めた.前尖から後尖は自己心膜を用いて拡大(Augmentation法)し,中隔尖と後尖の間隙は自己心膜を補填した.術後,洞調律を維持し,心エコーではTRの改善を認めた.中隔尖の偏位が比較的小さい症例や著明な弁輪拡大のため自己三尖弁組織のみでの形成が困難な症例に対しては,Augmentation法を用いたTVPは簡便で有用な術式である. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.51.959 |