SOLO SMARTステントレス生体弁が有効であったAustrian syndromeの再手術の1例
稀なAustrian syndromeの再手術例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.症例は62歳,男性.10月下旬から咳嗽と喀痰が出現.発熱と倦怠感を主訴に総合内科を受診.項部硬直を認め,炎症反応高値であった.血液培養では肺炎球菌が検出された.心エコーで重度の大動脈弁逆流を認め,急激に心不全が増悪したため2日後に緊急手術を施行した.大動脈弁右冠尖に大きな疣腫が付着し,弁輪部膿瘍により弁尖が離断しつつあった.自己心膜で弁輪を補強し生体弁による大動脈弁置換術を施行した.術後1週間の心エコーで中等度以上の人工弁周囲逆流を認め,溶血も進行してきたため再手術の方針とした.広範囲に離開していた弁...
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Veröffentlicht in: | 心臓 2019/03/15, Vol.51(3), pp.346-351 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 稀なAustrian syndromeの再手術例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.症例は62歳,男性.10月下旬から咳嗽と喀痰が出現.発熱と倦怠感を主訴に総合内科を受診.項部硬直を認め,炎症反応高値であった.血液培養では肺炎球菌が検出された.心エコーで重度の大動脈弁逆流を認め,急激に心不全が増悪したため2日後に緊急手術を施行した.大動脈弁右冠尖に大きな疣腫が付着し,弁輪部膿瘍により弁尖が離断しつつあった.自己心膜で弁輪を補強し生体弁による大動脈弁置換術を施行した.術後1週間の心エコーで中等度以上の人工弁周囲逆流を認め,溶血も進行してきたため再手術の方針とした.広範囲に離開していた弁輪補強部を閉鎖しSOLO SMARTステントレス生体弁(LivaNova PLC,London,UK)による再弁置換術を施行した.本生体弁は縫着部分がValsalva洞になり,自己弁輪を避けることが可能なため再手術に有用であった. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.51.346 |